カイロプラクティック/オーソモレキュラー
しん研良院

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内臓へのアプローチ(内臓マニピュレーション)

内臓への手技療法(内臓マニピュレーション)について

内臓は腹腔、骨盤腔、頭蓋腔のなかで運動していて、自由に動くことが出来る。
ところが、内臓の不調が起きると内臓の運動に制限がかかる。そうするとその内臓は腔内で本来の動きをせず、腹膜や靭帯などの組織によって固定された状態になる。
体はこの状況下で様々な代償を行う。たとえば、脊柱の運動制限を起こしたり、筋緊張を起こしたりする。
腹部などの手術あるいは交通事故による体への衝撃、心理的な長期にわたるストレスなど、身体への様々な物理的・心理的トラウマによって、より一層内臓の動きは制限をかけられる。
 
治療理論を脊柱や筋肉だけにしぼって行うと、すべての病理を説明できなくなる。それゆえ、筋骨格系、内臓内分泌系・・などと身体のすべての体系を広くみていく必要がある。
 
筋肉のこりは一番分かりやすい体の異常、脊柱などの骨格のゆがみ(可動制限)も訓練されたセラピストには分かりやすい体の異常だが、顕微鏡レベルで起こっている微小な細胞レベルの異常がそこに起こっていると想定しなければならない。
つまり、筋肉や骨格の異常の背景を調べ、そちらにアプローチしようとしなければ、根本的な解決にはならない。
 
内臓への手技は、内臓に付着している腹膜や靭帯などの膜組織の柔軟性低下を改善するあるいは内臓固有の動き方の不正運動を修正し本来の機能に変化させる、意味を持っている。

よくある不調と内臓手技による対処例

 

胃痛

  • 胃液と胆汁の関係性から、胆管と十二指腸のつなぎ目のオッディ括約筋に対して
  • 神経系の問題解消に関して、骨盤や脊柱の施術
  • 胃そのもののマニピュレーション~大弯、小弯、噴門、幽門に対して
  • 頭蓋から出てくる内臓への神経(迷走神経)に対する手技

 

逆流性食道炎

  • 食道裂孔ヘルニアに対して、上ずった噴門を下す手技
  • 頭蓋から出てくる内臓への神経(迷走神経)に対する手技

 

便秘

  • 腸間膜や自律神経系の施術
  • 頭蓋から出てくる内臓への神経(迷走神経)に対する手技

 

手術の癒着(高密度化)…腰痛や肩こり、ひざ痛の原因

  • 帝王切開、盲腸(虫垂炎)など、オペ後の腹部の膜組織の柔軟性低下を回復させる手技

 

生理痛

  • 骨盤や骨盤内臓器に対しての手技

 

食欲の低下

  • 自律神経系に対しての働きかけ
  • 腸間膜などの柔軟性低下
  • ホルモンバランスに対して後頭骨など頭蓋の施術

 

動悸

  • 横隔膜や心膜に対して
  • 神経系に対して~脊柱、骨盤、頭蓋など

 

腹部のハリ(膨満感)、ガスがたまる…小腸内細菌異常増殖症(SIBO)

  • ゆるんだ回盲弁を改善する手技
  • 頭蓋から出てくる内臓への神経(迷走神経)に対する手技

よく相談のある体調不良

 

「立ちくらみや動悸があって、遠出できません」

胸郭や首周辺にトラブルのあるケースのほかに、小腸ー大腸に問題の見つかるケースも多く、カイロで良くなります。

「人混みなどが苦手なパニック障害ですが、薬を飲みたくないんです」

体全体の働きが低下しています。呼吸器や自律神経系など原因を全身のなかから見つけて機能アップにつなげます。

「体がしんどく、息が吸いにくいです」

胸郭の動きが硬くなっている→肩こり~頭痛に発展

「気分が落ち込んで、やる気が出ません」

自律神経系のアンバランスや内臓の機能低下など

「不眠症です」「手汗がすごく出ます」「のどに異物感があります」

自律神経系にトラブルが出ています。薬オンリーではそれほど良くなりません。体の機能低下をうまく修正していく必要があります。

「ふわふわした感じがします」「雲の上を歩いているような感じです」「倒れそうになります」「船に乗った感じです」

めまい症状~前庭系や小脳系などの障害

「天井が回ります」「目が回ります」「吐き気が出ます」

急性のめまい症状

「気の遠くなる感じです」「汗が出て気分が悪くなります」

血管系や心臓の機能障害の可能性

「吸い込まれる感じ」「頭がふらつきます」

過換気症候群、うつ症状など

「高速道路を運転すると気分が悪くなり、高速に乗れなくなりました」

中枢性、末梢性

「ものすごく疲れやすくなってきました」

内臓の働きの低下(副腎疲労や肝臓、呼吸器系などの働きの低下)が考えられますが、カイロで様々な方法があります。

「難聴」「耳鳴り」

感音性、伝音声。頭蓋。その他。


 

施術例

 
改善された方のご厚意により、写真撮影などの許可をいただきました。
同じような症状でお困りの方にとって、ひとつの目安や判断材料になればと思います。


 

不安感、やる気の低下

30代女性(大阪府)
2020年12月
 

主訴:意欲の減退、食欲が出ない、昼前から眠気、常に不安、肩や腰の痛みコリ

  • 心療内科でうつの診断があり、レクサプロ、サインバルタなどの処方。
  • 初回(8/12)、頭蓋や呼吸器系、内臓などの施術。
  • 各種データその他から考察して・・亜鉛50㎎、ビタミンC4㌘以上、ビタミンB6朝晩、プロテイン5㌘数回
    (量が足りないと効きません。また余計なものを摂ってもだめです。亜鉛など通常の量をはるかにオーバーしていますが、個人の遺伝子レベルなどで必要量に数倍の開きのでることもあります)
  • 2回目(8/29)、やる気が出てきた。
  • 3回目(9/26)、すごく調子が良い。以前より服用していた強迫性障害などの薬が辞められた。

 

ひどい動悸

80代女性(香芝市)
2020年10月
 

  • ひと月前より、朝にひどい動悸が起こり救急車でたびたび運ばれている。
  • 下肢のだるさや右肩の痛みもある
  • 手術歴…胆のう、右肩、白内障
  • 胃腸の状態…良好ではない(胸やけその他)
  • 血液…好中球44、リンパ球45.6、MCV98、MCH32、CRP0.09
  • 薬剤…高血圧、高コレステロール、胃薬
  • 高コレステロール薬~スタンチン系製剤~COQ 10↓~長期服用で心臓に影響の可能性
  • 胃薬~胃酸抑制剤~アミノ酸などの分解力↓~B12 不足~赤血球肥大~MCV(赤血球の大きさ)↑~血流↓など
  • 好中球とリンパ球のバランスをみて~自律神経にトラブル
  • 食生活・・・小麦系の食品が大好き~グルテン(小麦タンパク)の消化不良が長期間にわたってあるとすると、小腸の粘膜の透過性亢進や回盲弁障害を引き起こします~免疫系の異常~各種病気系のリスク↑

 
早くよくなるために高容量のビタミンや亜鉛などを数種とってもらう事にしました。一方、消化不良を起こしているかもしれない食品の排除などもアドバイスしました。
 
8/31初回で、3回目の9/18には動悸の程度がけっこう軽くなったとのこと。
4回目の10/2には、朝の動悸が消失されていました。


 

原因不明の腹痛と体調不良

30代女性(香芝市)
2015/4月7日
 

  • 7年前から吐き気や原因不明の腹痛に悩まされている
  • パニック障害なども起きるようになっている
  • 打撲歴や手術歴(帝王切開)あり

施術)

  • 骨盤と骨盤隔壁、尾骨など
  • 内臓…胃、左結腸局、横隔膜など
  • 頭蓋…側頭骨など

結果)

5回の施術で、腹部の違和感や痛みが消失。体が楽になりつつある。


 

ノートと考察

 

  • このコーナーは、考察や各種情報をノートとして不定期に書き加えているものです。
  • 私自身の記憶の整理用のノートですので、考えるヒント程度にお読みください。
  • 「~だ」のような断定的な表現もありますが、あくまでもここに書いているのは考え方の一例に過ぎません。
  • より良い情報が見つかるたびに、訂正や追加を加えます。
  • 疑問点などのご指摘をくださる方があれば幸いです。

症状

不眠症、のどに異物感がある、まぶしく感じる、多汗症、気分障害、全身疲労
頭痛(頭重感)、耳鳴り、めまい、肩こり、動悸、食欲不振
微熱、体の一部のふるえ、生理不順、情緒不安定など
 

原因

  • 体の構造の問題~神経系の問題・・・骨盤や脊柱における可動性の問題⇒自律神経系の機能低下につながる可能性
  • 膜組織のトラブル~血液やリンパ循環の問題・・・筋・筋膜や内臓の膜、頭蓋や脊柱を内張りしている硬膜などの膜組織の可動性低下で正常に働けなくなっている。
  • 生活習慣の問題・・・無理に体を酷使している。睡眠時間の問題など。
  • 化学的な問題・・・体に取り入れるものに気を付ける必要があります(食生活の問題)。
  • 心理感情の問題・・・精神的なストレス(心の問題)が、現在や過去にある場合。

 

手技的アプローチ例

・カウンセリング・・・お困りの問題についてお話をうかがいます
・骨格の調整・・・ソフトな施術を行います。骨格に正常な動きが付くと自律神経系などにも良い影響が出ます。
・筋肉に対して・・・目まいや不整脈、頭痛などの原因になっていることがあります。
・経絡治療・・・経絡に問題のある場合。
・呼吸の改善・・・呼吸の浅い方が多いです。胸郭の可動域アップなど。
・クラニアル(頭蓋仙骨療法)・・・様々な機能をよくします。とてもソフトな施術。
・内臓マニピュレーション・・・精神状態は、内臓の状態とリンクしている部分があります。たとえば、腸には脳のようなニューロン細胞があります。
・心理的障害に対するセラピー・・・ネガティブな感情を取り除くセラピー
トラウマ・不安・うつ症状・パニック障害などの緩和を目的に行います。
従来のカウンセリングの様に話をカウンセラーが傾聴するようなものではありません。
ネガティブな感情を引き起こす記憶のメカニズムに働きかけて 記憶を呼び起こさないようにする療法です。
 

家庭で

サプリメント・・・セントジョーンズワートなどが有効です。
ただし、他に何か薬を飲まれている方は、種類によって飲み合わせの問題があります。
⇒パキシル、ルボックス、NSRIなどとの併用を避ける
副作用として日光に当たるとかゆくなる方がいらっしゃいます。(日光過敏症)
妊娠や授乳中の方も、避ける。

食生活

(例)甘いもの(砂糖)の取り過ぎ

  • 急激な血糖値上昇後には、急激な血糖値の下降があります。
    このとき、シュガーブルーと呼ばれる気分の低下を招きやすくなります。
  • 砂糖を代謝する際には、カルシウムとビタミンが消費されます。これは、人体の血液を弱アルカリ性に保つための反応です。
    したがって、砂糖の取り過ぎによって、ミネラル分が損なわれますので、体調不良を招く恐れがあります。
  • チョコレートなどには、頭痛を引き起こしやすくする成分が含まれています。

運動

  • 運動不足で体幹の筋力が低下している場合、精神的な面でもマイナス作用を引き起こしやすくなります。
  • 人間の体は動かすように出来ていますので、動かさないことで心身に様々なマイナス作用を及ぼします。

不眠症

  • 脳硬膜へ働きかける手技など中枢神経への働きかけが良い結果をもたらすことがあります。
  • 不眠でお困りの方は、身体のどこかに硬い場所があるものです。頭部、腹部、足、脊柱など。
  • 睡眠薬を服用されている方は、お早目にご相談ください。

 

手技的アプローチ)

  • 骨格に対して・・・頸椎、胸椎、骨盤、頭蓋その他
  • 内臓マニピュレーション
  • 神経系に対して

めまいの種類

①ふわふわする動揺性めまい

  • 雲にのっているようなふわふわ感。船に乗っているような不安定性。
  • 平衡感覚の障害
  • 前庭系、固有感覚系、小脳系、視覚系の障害
  • ゆっくり発症する

②回転性のめまい

  • 自分自身が(周囲が)回る。嘔吐や眼振を伴う。
  • 末梢や中枢前庭系の片側性の急性障害
  • 急性の発症

③漠然としためまい

頭のフラフラ感
倒れそう、吸い込まれる
過換気症候群やうつ病、不安症候群などの人によくある
頭痛や肩こりなどの症状を伴っている場合…自律神経失調症、更年期障害の症状
検査では特に異常がない場合…過度の疲れ、ストレスによる心因性のめまい

④意識が無くなるめまい

  • 血圧の急激な変動で脳の血流量が急低下して発生…起立性低血圧、貧血、高血圧
  • 血管系や心臓の機能障害の疑い
  • 発汗や悪心、不安定感
  • 一時的な視力喪失
  • 気が遠くなる感じがする

 

  • その他…鎖骨下盗血現象
  • 耳の中では平衡器官と聴覚器官は隣接。耳に障害のあった場合耳鳴りや耳閉感、難聴を併発しやすくなる。
  • めまい反射により吐き気やおう吐を伴う事もある。
  • 激しい頭痛や神経症状(手足のしびれ、顔面麻痺、しゃべりにくい、二重に見える)を伴う場合は、脳神経外科等での検査が必要。

 

めまいに関係する器官

中枢性…前庭神経核、小脳
末梢性…内耳(三半規管)、前庭神経、頸部交感神経、椎骨動脈、後頸部の筋群
 
※初めて、めまいが起こった時は病院の検査を受けておく事が重要だが、CTやMRIなどの検査で異常がなければ危険性がかなり減ると考えられる。
 

手技的なアプローチ方法

  • 椎骨動脈や後頸部の筋群に対して…上部頸椎などの施術
  • 頸部交感神経に対して…手技による交感神経ブロック
  • 三半規管や前庭神経など…前庭動眼反射を利用する方法、サッケードや追跡眼球運動などの方法

 

  • 脳(主に大脳基底核)や神経系統の何らかの障害による不随意で持続的な筋収縮にかかわる運動障害の総称。
  • 筋肉の緊張の異常によって様々な不随意運動や肢位、姿勢の異常が生じる状態
  • 日本神経学会の用語では「ジストニー」と表記
  • 持続的または不随意的に筋肉が収縮したり固くなったりすることをジストニア運動といい、ジストニア運動を伴う疾患をジストニアと呼ぶ。
  • 知的機能障害および、視力・聴力など感覚機能障害はなく、生命に関わる疾患ではない。
  • 筋肉が自分の意思通りに動かなくなり、異常な動作や姿勢になる。
  • 発病の早い段階においては、ストレスや情緒により影響されることもある。

 

具体的な症状

  • 首が傾く…上下や左右
  • 足や首がねじれる
  • 身体が歪む
  • 眼瞼痙攣…まぶたが勝手に閉じようとする
  • 口を歪ませる 、 唇を突き出す
  • 声が出ない、出しにくい
  • 鉛筆や箸が持てない、持ちにくい
  • 字が書けない、書きにくい
  • ピアノ・ギターなど特定の楽器が弾けない、弾きにくい

 

臨床症状の特徴

  • 常同性…異常な動作や姿勢のパターンは、患者ごとに一定で反復・持続し、日によって痛い場所や姿勢が違うなどがない。
  • 動作特異性 …ある特定の動作のみに伴って症状が現れることが多い。典型的には、字を書く時だけに起きる書痙。
  • 知覚トリック…特定の感覚刺激によって、一時的に症状が軽減することが多くある。たとえば、頬に手を当てると一時的に改善する痙性斜頸。
  • 早朝効果…起床後しばらく、症状の軽いことがある。
  • オーバーフロー現象…動作時の環境で症状が増強~本来その動きに不必要な筋が不随意に収縮する
  • フリップフロップ現象…何らかのきっかけで症状が、急に増悪、または軽快することがある。

 

分類

部位別

全身性 ジストニア…主に幼少期から発症する
局所性 ジストニア    …痙性斜頸、眼瞼痙攣、書痙、痙攣性発声障害など
分節性 ジストニア …局所性ジストニアが隣接領域に波及する

原因別

本態性ジストニア (原因のよくわからないもの)
~全身性ジストニア ◦、若年発症型、成人発症型、孤発性、遺伝性
 局所ジストニア 、痙性斜頚 (頚部ジストニア)、眼瞼けいれん
 書痙、職業性ジストニア、痙性発声障害など
二次性ジストニア (脳の病気で二次的に生じるもの)
~脳性麻痺、脳血管障害、脳炎、先天性代謝異常などが原因

発症年齢別

20歳前・・・小児期から発症する全身性ジストニア
20歳後・・・成人した後に発症する局所性ジストニア
 

原因

  • 筋緊張を調節している大脳基底核の働きの異常によっておこると考えられている。しかし、本態性ジストニアの場合、病理学的研究で脳に明確な異常は認められていない。
  • 他の疾患の後遺症として二次的に起こる場合、MRIやCTの検査により、大脳基底核の中(特に淡蒼球)に病変が見つかったり、病理学的変化があることがある。

 

病院で

  • 神経内科…大学病院などで専門の科のあるところに行かないとなかなか診断の付かないこともあるようだ
  • その他…精神科、心療内科、脳神経外科、整形外科、リハビリテーション科、眼科、耳鼻咽喉科など
  •  検査…頭部CT、MRI、脳波、筋電図、血液検査など
  • 治療…内服療法、ボツリヌス毒素療法、外科的治療法、バイオフィードバック療法、MAB療法、経頭蓋磁気刺激 (TMS)、鍼治療

 

特徴

症状が常に一定であること、発症の初期には朝は調子がよく、午後から夜にかけて悪化すること、体のある部分をさわったりすると症状が軽快したりすることなどが特徴。
全身性ジストニアでは進行すると全身の捻転がひどくなりけいれん発作と間違われることもある。
多くの本態性ジストニアでは脳のMRIなどで異常がみられず症状が理解しがたいため、ヒステリーなど精神的なものとして受け取られることも少なくない。
 

検査所見

本態性ジストニアではCTやMRIでは脳の形に異常はみられない。
筋電図で伸筋と屈筋が同時に動いてしまう所見(共収縮、相反性抑制の障害)がみられる。
遺伝性ジストニアを疑う場合、遺伝子検査
 

眼瞼けいれん

  • 両側の眼輪筋に不随意に攣縮が反復出現する疾患で、特発性の局所性ジストニア。
  • 主な症状(初期)…下眼瞼部のピクピク感、眼瞼の刺激感・不快感、まぶしい、まばたきの回数が増える
  • 主な症状(進行)…上眼瞼部に進行、眼瞼が頻繁に攣縮、開瞼障害(機能的な失明状態)

メイジュ症候群

  • 眼瞼痙攣に顔面、口、下顎、咽頭、喉頭、頸部など他部位のジストニアを合併する疾患。
  • 眼瞼痙攣は特に疼痛を伴う疾患ではないが、メイジュ症候群は疼痛を伴い顔面の変形を来すことがある。

痙攣性発声障害

  • 喉頭や声帯の筋肉に影響する特発性の局所性ジストニア
  • 声帯内転型…発声中断、力んだ声、声がしゃがれる、声量が小さくなる、呼吸困難
  • 声帯外転型…声が低くなる、息が漏れるような声、音声がかすれる、声が出ない

痙性斜頸(けいせいしゃけい)

  • 頭頸部の筋緊張異常により頭位に異常を生じる疾患で、頸部ジストニアとも呼ばれ、特発性の局所性ジストニア
  • 主な症状…頭部の回旋、側屈、前屈、後屈、下顎前突、肩挙上
  • 症例の多くは症状を複数合併。また、側彎や躯幹のねじれ、振戦や頸部痛を伴う例もある。

書痙(しょけい)、職業性ジストニア、上肢ジストニア

  • 上肢の筋緊張異常により、巧緻運動障害をきたす特発性の局所性ジストニア
  • 主な症状…痺れ、震え、こわばり、脱力
  • 職業性ジストニアは、音楽家、職人などにみられる。過剰な繰り返しの同一作業で、上肢が筋痙攣を起こし、動かなくなったり、動いてはいけない指が動いたりする。口部に起こるケースもある。
  • 上肢ジストニアを生じる職業…音楽家(ピアニスト、バイオリニスト、ギタリスト、打楽器奏者など)、ゴルファー(イップスという)、タイピスト、画家、時計・金細工等の職人など
  • 口のジストニアを生じる職業…音楽家(フルート、トランペット奏者など)
  • 病因は過剰な骨格筋使用により脳の感覚の代表野が拡がるために、感覚情報処理の異常が起こると考えられている。

全身性ジストニア・類似疾患

早期発症捻転ジストニア (DYT1遺伝子異常を伴うジストニア)
早期発症捻転ジストニアは、特発性の全身性ジストニアで、常染色体優性遺伝性のことが多く、また時折、遺伝素因なしでも起こる。

  • 通常5~15歳に歩行時の足の内反および底屈で発症
  • まれな進行性の症候群で、背中・首・腕など身体の別の部分にも広がる
  • 動作が中断し、しばしば奇妙な姿勢を固持する特徴

瀬川病 (DYT5遺伝子異常を伴うジストニア)

瀬川病は、特発性の全身性ジストニアで、常染色体優性遺伝性

  • 10歳以下に発症。0歳代以降はほとんど症状は進行しない
  • 女児に多い
  • 日内変動…夕方増悪し睡眠で改善

遅発性ジストニア

  • 主として向精神病薬の長期投与中(数か月~数年)に起こり、ドーパミン遮断作用をもつ
    抗うつ薬、抗めまい薬、制吐薬、胃腸薬、カルシウム拮抗薬によっても起こることがある薬剤性の二次性ジストニア。
  • 主な症状…頸部・躯幹の不規則なつっぱり・ねじれ、斜頸、後頸、後弓反張
  • 病因は、ドーパミン、アセチルコリン、ノルアドレナリンなど多様な神経伝達物質の異常と考えられている。

遅発性ジスキネジア

  • ジストニアではないが、遅発性ジストニアと同じ薬剤性の異常不随意運動。
  • 主として向精神病薬の長期投与中(数か月~数年)に起こり、ドーパミン遮断作用をもつ
    抗うつ薬、抗めまい薬、制吐薬、胃腸薬、カルシウム拮抗薬によっても起こることがある。
  • 主な症状…繰り返し唇をすぼめる・尖らせる、舌を左右に揺らす・突き出す、口をモグモグする、歯をくいしばる、瞬きを繰り返す、額にしわを寄せる、肩をひそめる、しかめ面をする
  • 重症例…手指を繰り返し屈伸する、腕を振り回す・ねじる、足踏み、体をゆする・くねらす・ねじる、呼吸困難、不規則呼吸
  • 脳内のドーパミン受容体の過剰反応と考えられている。

固定ジストニア

  • ジストニアの類似疾患
  • 交通事故や転倒等の脊髄の外傷が誘因で脊髄から異常信号が出て、手足・頸部・顔面が硬直します。
  • 機械的な原因で、四肢が固くなる症候群で、異常な姿勢を取るジストニアに似た状態
  • 一般的なジストニアの原因とされる大脳基底核には病変がないことが多い。
  • 罹患部が固定し、知覚トリックがない。
  • 複合性局所疼痛症候群(CRPS)または心因性ジストニアと重複することがある。

 

手技的アプローチ

関節受容器や筋腱紡錘に対して
・大脳基底核、ドーパミン系などに対して

 
過換気…呼吸が深くかつ速くなること
過換気により血中の二酸化炭素が排出され、血液がアルカリ性になる(呼吸性アルカローシス)
 
呼気からの二酸化炭素の排出が必要量を超え動脈血の二酸化炭素濃度が減少

  • 血液がアルカリ性に傾くため、息苦しさ
  • 延髄が反射によって呼吸を停止させ血液中の二酸化炭素を増加させようとする
  • しかし、大脳皮質は呼吸ができなくなるのを異常と捉え、さらに呼吸させようとする
  • 血管が収縮し、軽度→手足の痺れ、重度→筋肉の硬直
  • 悪循環になって発作がひどくなる

※よくある不定愁訴として軽く考えられがちだが、器質的な病変や精神的なケアの必要性などを注しておくべき。
 

原因、発症しやすい人

  • 精神的な不安、心因性反応(ヒステリーなど)…几帳面で神経質な人。心配症で考え込んでしまう人。
  • 肉体的過労、運動の直後など
  • 10~20代の若者や女性で精神的ストレスを受けやすい人
  • 男女比は1対2ぐらい
  • 人工呼吸器による補助換気中の換気過剰
  • 原因が不明な中枢神経異常
  • サリチル酸などの薬剤の中毒
  • 敗血症(菌が血中に入った状態)

 

症状

  • しばしば突然に呼吸困難、または呼吸困難の自覚なしに息が荒くなる
  • 呼吸が速くなる・・・呼吸を深くすると胸部に圧迫感
  • 動悸、目眩
  • 手足や唇の痺れ(テタニー痙攣・・・筋の被刺激性が亢進した状態)、)
  • 頭がボーとする
  • 不穏興奮状態
  • 死の恐怖を感じる
  • 意識混濁、失神

※直接的にこの症状が起因して死ぬ事はないが、心臓発作に注意。
※過呼吸症候群とも称されるが、一般に「過呼吸」と称されるものとの違いは原因が「精神的な不安」にあること。過呼吸症候群は呼吸を多く必要とする運動の後に起こるという点が異なる。発症後の症状はほぼ同じ。
 

対処方法

  • 呼吸の速さと深さを自分で意識的に調整~2~3分で自然に治
  • 呼吸管理・・・息を吐くことを意識し、ゆっくりと深呼吸→「吸う:吐く=1:2」になるくらいの割合で呼吸(一呼吸に10秒くらいかけて少しずつ息を吐く。
  • ペーパーバッグ法・・・最近はあまり推奨されない
    →紙袋などに口・鼻をあて、吐いた空気を再度吸い込む(血中の二酸化炭素濃度を上げる)方法
    →酸素不足にならないよう、少し隙間を作っておくなどの加減が難しい~不安を強めたり低酸素血症をもたらす可能性
    ※肺水腫で呼吸が乱れている時に行なうと症状が悪化するので、病院での正確な診断が必要

 

手技的な観点

  • 呼吸に関係している筋のアンバランスが存在している→効果的な呼吸が平常時から出来ていない
  • 吸気の胸郭拡大が制限されている・・・胸部や腹部の過緊張、肋骨弓の下がり
  • 腹圧亢進→横隔膜の収縮に制限がかかる→呼吸補助筋を使いだす(肩・頸部の症状が出てくる)→胸郭上部を使う浅い呼吸になる→肺換気率低下→呼吸数アップ

※このような患者さんに深呼吸させると、胸郭が横に拡がらない。縦方向に拡がりやすい。
 

手技的による施術

  • 頸椎や胸椎、骨盤などの矯正
  • 肋骨周辺組織の可動域をアップさせる施療
  • 硬縮したり線維化している呼吸補助筋(僧帽筋、肩甲挙筋、SCM、斜角筋)などに対しての施療
  • 中頸腱膜、上下胸骨心膜靭帯、縦郭、椎骨心膜靭帯、心膜、横隔膜の連結に対して
  • 交感神経ブロック…星状神経節、傍脊柱交感神経節、腹腔神経叢、上下腸間膜神経叢

 

病院での治療

  • 抗不安薬
  • 安定期に心理療法、行動療法など
  • 基礎疾患がないかどうかの確認
  • 類縁疾患との鑑別…呼吸器内科、循環器科、精神科などの受診
    (例)不安神経症、恐慌性障害(パニック障害)、神経循環無力症(心臓神経症)