カイロプラクティック/オーソモレキュラー
しん研良院

〇受付時間 9:00〜19:00 
○診察時間 9:00~21:00 
○休み:不定休

子どもの発達

発達障害は治る!?

 
○症状
・脳の問題によって言葉の発達が遅い
対人関係をうまく築きづらい
読み・書き・計算が苦手
落ち着きがない
集団生活が苦手
 
 
○知的な遅れを伴う場合から知的な遅れのない人まで広い範囲を含んでいる
 
○幼少期や学童期から症状が現れるが、見過ごされることもある
⇒社会人になってから、不注意やミスが目立ち、初めて分かる事もある
 
○さまざまな場面で「生きにくさ」を感じている
 
文科省の調査(H24)通常学級の6.5%の児童生徒に発達の問題がある可能性
 

発達障害の捉え方

 
・以前は、社会的にあまり理解されていない部分があった
・H17…「発達障害者支援法」施行
 
○「先天的なものなので、治らない」という考え方は、現在では間違いと考えられる
・発達のしかたに凸凹のある状況
・さまざまな外的要因の影響を受けながら、ヒトは発達していくので、改善されていく要素がある
・「一つの個性だから配慮は必要がない」と考えるのも極端すぎで、一定のサポートやセラピーは必要
 
○現在の医学では、「脳の機能障害だが発症メカニズムは分かっていない」とされている
・遺伝や胎児期の感染症、農薬への暴露などが発症に関与していると考えられている
 
 

しん研良院の考え方とアプローチ方法

 
○発達障害の原因は先天的なもので治らないと言われることが多いのですが、
後天的な環境因子による遺伝子発現の結果と考えられる部分が多くあります
 
○体質や遺伝子の状況を考慮して、環境因子をその人に合ったものに適応させることで、遺伝子のスイッチのオン・オフが操作できる(エピジェネティック)
・環境因子として、特に重要なのが「栄養素の消化吸収」と「毒への暴露・解毒機能」です
・栄養…人の体は食べたものからできている
・毒(化学物質・重金属・カビ毒)…脳の損傷、細胞の機能低下
 
 

エピジェネティックについて

 
・エピジェネティクス(後成学)…DNA塩基配列の変化を伴わない細胞分裂後も継承される遺伝子発現あるいは細胞表現型の変化を研究する学問領域
 
・遺伝子はDNAで記録されていますが、それを上書きするように遺伝子を使うか使わないかを決める機構があり、それをエピジェネティックと言う
 
・エピジェネティクスは、遺伝子の塩基配列が生き物の全てを決めるわけではないということを示している
 
・遺伝子の塩基配列が全てを決めるならば、ヒトの体を作っている細胞は同じ遺伝子を持っているので、全て同じ性質の細胞になるはずだが、エピジェネティクスが違っているため、実際はそうならない
 
・細胞の種類ごとにオンになっている遺伝子の組み合わせが違う
⇒生命のスタート地点では、ほとんどの遺伝子はオンになっているが、細胞分裂していくと、一部がエピジェネティクスにより、細胞で使わない遺伝子が出てきて特殊化した細胞が生じる
⇒この遺伝子のオンオフは細胞分裂によってできた娘細胞にも受け継がれる~性質の違う細胞を生み出し、ヒトの体を作り上げる
 
参考)クローン細胞やiPS細胞‥‥エピジェネティクスの上書きを完全に消去して受精卵の状態に戻して、万能細胞を作り出している
 
・人によっても、後天的な環境因子によって、遺伝子のオンオフが生じる


遺伝子のオンオフは、遺伝子の書かれているDNAの折りたたみ方の様式に左右される
⇒DNAがコンパクトに折りたたまれていれば、そこに書いてある情報を読むRNAポリメラーゼが入りこめないので、転写できない遺伝子オフの状態)
⇒ゆるく折りたたまれていればRNAポリメラーゼが遺伝子を転写できる(遺伝子オンの状態)
 
○遺伝子のオンオフは、栄養素によって左右される部分がある
 
 
○重要:神経伝達物質の量はメチレーションに左右される
 
DNAの低メチル化)
・ゆるく折りたたまれている…ヒストンにアセチル基がつくと構造がゆるむ
~クロマチン構造のゆるみ⇒遺伝子発現活性化(転写促進)
シナプスにおいては、低メチル化によってタンパク合成↑~再取り込みタンパクが増える
⇒シナプスでの再取り込みが増加するため、セロトニンやドーパミンは減る
 
DNAの高メチル化)
・きつく折りたたまれている…ヒストンにメチル基がつくと構造が密になる
~クロマチン構造の凝縮⇒遺伝子発現の活性抑制(転写抑制)
シナプスにおいては、高メチル化によってタンパク合成↓~再取り込みタンパクが減る
⇒シナプスでの神経伝達物質の再取り込みが抑制されるため、セロトニンやドーパミンは増える
 
 
 

発達障害と関連する生化学的異常

 
○ADHDと生化学的異常
亜鉛・ビタミンB6不足…多くの行動障害
銅過剰・亜鉛低値…多くの発達障害(こどものADHDでは7割近く
 
低メチレーション…行動障害とADHDの4割(とくに反抗挑戦性障害で多い) 
※低メチレーション~低セロトニン、花粉症、強迫傾向
 
高メチレーション…行動障害の3割  
※高メチレーション~ドーパミンとノルエピネフリンの上昇⇒不安や妄想
 
・低血糖~行動障害をより悪化させている
・吸収不良…胃腸障害や胃酸不足、カンジダ増殖など~精神不安定、学業不良につながる
・14歳以下で治療介入すると8割で行動改善がみられる
 
 

分子栄養学の検査について

 
○分子栄養学(オーソモレキュラー)の推奨する血液検査
血清亜鉛と銅の値など
 
○尿有機酸検査
・悪性細菌のカンジダなどの感染症
・神経伝達物質の分泌状況
 
○毛髪ミネラル検査
・毛髪から水銀や鉛など有害金属の蓄積を読み取る
 
★窓口は、分子栄養学を実施している医療機関になります
 
 
 

神経系の発達を阻害するもの

 
・子供の神経系の発達~1歳から5歳…初期の大脳皮質の発達が行われる(両側性の発達
・3歳から8歳…左右の半球の優位性が出てきて、神経学的な統合が行われる
・一定期間のあいだで、右半球の発達→次は左半球の発達というように交互に発達していく
・この時に物理的・化学的・心理的なストレスが入力されると、その期間に発達している半球の発達が抑制される
 
臨床例)
利き腕の修正によって、右半球と左半球の交互の連絡がとりずらくなる
吃音のリスク
 
・胎児から成長期までに各種ストレスを許容範囲以上に受ける
⇒神経的な統合不全
⇒酸化ストレスによる脳機能障害の場合、自閉症

逆子や難産
⇒脳機能問題のリスク↑
 
・残留農薬、有害化学物質、有害重金属、人工甘味料の摂取
脳血液関門の未発達な子供には大きな問題
 
帝王切開で生まれてきた子
⇒産道を通らないため新規の腸内細菌にブドウ球菌などが増える
⇒感染症などによる発達障害のリスク↑
 
ケガや事故
⇒脳へのダメージ~神経炎症~脳機能低下

利き目と利き手が逆
⇒学習障害が出やすい

左脳利きで、右脳に機能低下
⇒問題が大きくなる
________________

○乳児の脳半球の特性、優位性は遺伝的に決定されていて、適切に機能するためには、その優位性が全身で統合されなくてはいけない。
 
・利き脳~利き手、利き足、利き目、利き耳から判断する

・正常な脳機能は左右の半球が調和して働くが、ある機能がある半球でオフになった場合、反対の半球が過剰に働く
⇒長期間続くと左右脳半球の情報共有・統合の機能に離断状態が生まれる
⇒その結果、たとえば左脳に機能障害を持てば、言語に問題が生じるリスク↑
⇒右脳では非言語コミュニケーション問題(目が合わせられないなど)リスク↑
⇒頭の傾き、筋トーンの貧弱、触られることが苦手、音やにおい過敏、食事の偏り、不器用も表れやすい
 

○アプローチは、機能低下側の脳半球に刺激を入力して、左右の脳のバランスの調和を作っていく
・ヘッブの法則:神経のシナプスは繰り返し発火することで強化される(その逆もある)
・神経には可塑性がある
・神経の可塑性に必要なもの…酸素、グルコース、刺激(頻度・持続時間・強さ)
 
 

カイロプラクティックからの考察

 
○脳に必要なもの…燃料(酸素、グルコース)、刺激(多様性、抑制⇔活性)
 
○動きを制限する要素…筋の張力、骨格のポジション、空気圧
 
○呼吸機能
・血中PHの安定、酸素供給量、血流、自律神経最適化、ホルモンバランスの安定
・身体の安定化、筋出力や関節可動性の安定、咀嚼嚥下機能
・精神的安定~集中力や学習能力
 
○運動システム…正常に働くには求心性刺激により体がどこで何をしているかを脳が認知する必要がある
 
○脳の左右差
・利き手が運動制御の優位半球を決める~右手優位・大脳左半球優位が9割
・男性は女性より脳の左右差が大きい傾向
・ドーパミンは左半球、ノルエピネフリンは右半球に多い
・右脳は左脳より前方に位置する
 

発達障害と栄養療法

 

葉酸経路と遺伝子の関係

MTHFRの遺伝子変異

 
・葉酸経路で働くMTHFR(5,10-メチレンテトラヒドロ葉酸還元酵素)は、葉酸を活性化するときに使われる酵素で、5,10-メチレンテトラヒドロ葉酸を活性化型のメチル葉酸に変える働きをする
 
・補酵素はビタミンB2とNAD(ビタミンB3)
・ビタミンB2、B3不足や、MTHFRに遺伝子変異があると、葉酸を十分に活性化できなくなる
・MTHFRの遺伝子は、20,373塩基対からなる大きなタンパク質~遺伝子には冗長性があるが、塩基番号677番と1298番の塩基に関しては、これの1つでも入れ替わると、それだけで機能が大幅に損なわれてしまう
塩基番号677:本来シトシンのはずが、SNPが生じるとチミンに置き換わり、生成されるアミノ酸がアラニンからバリンに変わる
⇒塩基番号1298:本来アデニンのはずが、SNPが生じるとシトシンに置き換わる
 
※遺伝子多型…遺伝子上の1つの塩基が別の塩基に置き換わること~ 1%以上の人が持っているものをSNP(スニップ、一塩基多型)、1%以下の人しか持っていないものを突然変異と呼ぶ
 
※MTHFR遺伝子多型は日本人に多く、C677Tの変異は、日本人の45%に見られる
 
※遺伝子は両親から受け継ぐ
→遺伝子変異を1つ受け継いだ場合:へテロ(異型接合体)
→2つ受け継いだ場合:ホモ(同型接合体)
・677CCが正常、677CTがヘテロ、677TTがホモ
・677CTと1298ACのように、それぞれに遺伝子変異が1つずつある場合を複合ヘテロ接合体と呼ぶ
 

葉酸サプリメントについて

○葉酸サプリメントの種類…非活性葉酸、10ホルミル葉酸に近いフォリン酸(folinic acid)、5-メチル葉酸の3種類
 
・5-メチル葉酸…日本では製造できないため、海外から購入する必要がある
 
・葉酸経路は、葉酸を活性化してメチル化経路にメチル基を渡す役割をしている~非活性型の葉酸が活性化されると10ホルミル葉酸になり、これがDNA合成を促進する
・多くの人は10ホルミル葉酸まで活性化させられるので、非活性葉酸でも適量摂取すればDNA合成が促される
 

妊娠前の葉酸サプリの選び方

・DNA合成不良による二分脊椎を防ぐために、厚生労働省が妊婦に対して葉酸サプリメントの摂取を推奨している
・妊娠前は普通の非活性葉酸でよい
・とくにオーバーメチレーション型のうつ症状がある(抗うつ薬で悪化するタイプ)方は、しっかり摂取すると良い~ナイアシンと葉酸サプリメントの摂取で、ドーパミンの過剰な生成を抑えてくれるため、体調がよくなる
 
○葉酸回路での問題
・10ホルミル葉酸⇒メチル葉酸の代謝にはMTHFRが関わっている
→MTHFR遺伝子に変異があると、代謝↓してメチル葉酸が低減
※メチル葉酸の減少⇒ドーパミンと解毒に関わっているため、言語障害や解毒力低下を引き起こす
※メチル葉酸…メチル化回路とつながっていてビタミンB12と反応して非活性型葉酸になり再利用~MTHFRのSNPのある場合、活性型のメチル化葉酸をサプリメントで摂取して、この反応を補助する必要がある
 
・MTHFRの遺伝子検査は、唾液採取で検査ができる~SNPある場合は、フォリン酸またはメチル葉酸を摂取す
・フォリン酸…副作用がなく安全性の高い
・メチル葉酸…活性型葉酸なので、多少リスク~葉酸はグルタミン酸を内部構造に含んでいるため、メチル葉酸を飲んでイライラが強くなるケースがある
 
 
 

血液データから生化学的に読み解く

 
指標となる項目
・MCV
・AST、ALT
・尿酸
・フェリチン、CRP、血小板…炎症をみる
・好塩基球…ヒスタミン量からメチレーションの高低を推測
・ミトコンドリア機能の推測
 

 MCVからビタミンB12不足を推測する

・MCVの値は、細胞内のビタミンB12、葉酸濃度を反映する
※ビタミンB12が細胞内で働く際にリチウムを必要とするので、毛髪ミネラル検査でリチウム不足を調べるのもよい
 
・メチル化経路で働くMTRは、補酵素にビタミンB12を使うため、MCV高値はメチレーション↓の可能性がある
→ビタミンB12投与はMTRの反応をターゲットにしている
 

ビタミンB6の様々な働き

○ビタミンB6不足があるとは次のようなことが起こる
COMT↓:ドーパミン、エストロゲン代謝の低下~分解力が弱くなるため、増えてしまう
CBS↓:ホモシステイン蓄積、解毒力低下
GAD↓:不安感、会話ができない(言葉とノイズが区別できない)
 
・COMT(カテコールO-メチル基転移酵素)…ドーパミンやエストロゲンの代謝(分解)に働く
・ビタミンB6は、COMTを活性化する
・ドーパミンが過剰になると、イライラがUPする
・エスロトゲン過剰は、女性特有の不調を様々引き起こす~生理痛、PMS
※COMTは、リチウムや抑肝散でも活性化される~イライラ↓
※COMTは、SAH(Sアデノシルホモシステイン)、コーヒー、ケルセチンでも弱まる~低メチレーション傾向の人は注意する
 
・CBS(シスタチオニンβ合成酵素)…ホモシステインを硫酸経路に流す酵素~ビタミンB6で活性化される
・CBSに遺伝子変異→活性化しすぎか、反対にホモシステイン蓄積で解毒力↓
 
・GAD(グルタミン脱水素酵素)…グルタミン酸をGABAに転換する~補酵素はビタミンB6
・GABA不足⇒興奮系の神経伝達物質が過剰に分泌するのを抑えることができなくなる~リラックスできずに精神的な緊張感が続く~不安感が常に付きまとう
 
 

ASTとALTからのビタミンB6不足の推測

・ALT(アラニンアミノ基転移酵素)はグルコース-アラニン回路で働く酵素
・エネルギー源としてブドウ糖と乳酸が両方不足した時に、筋肉のアミノ酸が分解され糖新生によりグルコースが生成~筋肉にはグルコースを生成するグルコース-6-ホスファターゼが存在しないため、ALTの働きでピルビン酸がアラニンになり、アラニンが肝臓に運ばれて糖新生が行われる
 
・ASTとALTはともにビタミンB6を補酵素とするが、半減期の違いによりALTの方がビタミンB6不足の影響を受けやすい⇒ビタミンB6不足の場合、AST>ALTとなる(差が2以上になる)
 

 尿素窒素とビタミンB6の関係

・尿素窒素値からもビタミンB6不足を推測できる~アラニンからピルビン酸に戻る反応で尿素が生成されるため、尿素窒素低値はビタミンB6不足を疑う
 

COMTの働きを促進するもの

・COMTの働きを良くする栄養素…SAMe、リチウム、B6、抑肝散
・COMTの働きを止めるもの…ケルセチン、カテキン、コーヒー、チョコレート、SAH
 
・神経伝達物質の様々な反応にビタミンB6が関与…ドーパミン、GABA、セロトニンの生成、COMTの活性化など
 

ビタミンB6の摂り過

・トリプトファンからキノリン酸への過剰転換が起きて、キノリン酸が神経毒として働く
・ビタミンB6の効きが悪い人は、活性型のビタミンB6(P-5-P;ピリドキサール-5-リン酸)を使うと良い~ビタミンB6:P5P=2:1くらいがよい
 
 

ホモシステイン値を下げる方法

・ホモシステインは、メチル化回路の中心にある
・ホモシステイン値は血液検査でわかる~ホモシステインは酸化ストレスの素になるので、高値の場合下げる必要がある
 
○MTRを活性化する
・MTRを介してDNA合成に向かう経路を回す⇒ビタミンB12、葉酸、亜鉛を使う
※MTRは炎症、重金属の蓄積、カンジダ感染に弱いので、段階を踏んでアプローチしていく
※子どもの場合、ビタミンB12の吸収が悪いことがある
 
○BHMTを活性化する
・上記の方法でうまくいかない場合は、亜鉛とトリメチルグリシン(ベタイン)を使い、BHMTの酵素を活性化させてメチオニンに行く経路を流す
⇒短路ばかり回していると、神経伝達物質やDNAの合成が滞るので注意するが、ホモシステインを下げてメチル基を作ることを優先させると、ある程度SAMeをたくさん供給でき、その状態で短路を止めると、MTRの経路が回り出して言語障害などが改善する
 
・短路はコルチゾールで活性化する~ストレスはメチレーションに影響する
・BHMT酵素はストレスがあると活性化し、SAMeがたくさん生成される~高ストレス状態の時には高メチル化状態になる
・副腎疲労の疲弊期になるとコルチゾールが枯渇しているので、低メチレーションのように見えるが、だんだん治ってくると、実は高メチレーションだったということがある
・好中球分画や唾液中コルチゾール値を見て、ストレス状態を把握しながら、メチレーションの状態を推測すると良い
 
○CBSを活性化する
・ビタミンB6などを使ってCBSを回す
・CBSの働きが弱まっていると、ホモシステインが高くなり、若年性心筋梗塞などのリスクが高まる
・ホモシステインが低すぎる場合は、解毒やDNA合成などに使う材料が足りなくなる~動物性タンパク質からのメチオニンを補給するとよい
 
 

炎症とメチレーション

○メチレーションに影響するのは、ビタミンB12、B6、ストレス、炎症
 
○メチレーションの反応で炎症に もっとも弱い部分がMTR
・MTRは、炎症、カンジダ感染、水銀の蓄積、活性酸素で阻害される
⇒炎症性サイトカインであるTNFαや、カンジダにより分泌されたアセトアルデヒドがMTRの働きを止めるため、メチレーション改善のために阻害要因の除去が重要となる
 
○次に弱いのは、メチレーションと他の代謝経路が交わっている部分
・トリプトファンは、セロトニン経路に10%、キヌリン酸経路に90%いく
・炎症があるとセロトニン経路が止まり、キヌリン酸経路に流れる⇒セロトニン不足が起こる
・炎症があると、キヌレニン経路が活性化して免疫を上げるナイアシンをたくさん作る~炎症が強すぎると、ナイアシンの手前で代謝が止まってキノリン酸が溜まり、神経毒として働く
 
○ナイアシンはBH4を作る経路で働く
・BH4はセロトニンやドーパミンの生合成に必要な物質~ナイアシンから作られる経路と、BH2のリサイクルで作られる経路がある~両方の経路が活性化されないと、セロトニンとドーパミンのバランスがうまくとれない
・炎症を起こすと、セロトニン経路からもBH4からもセロトニンが作られず、相対的にドーパミンが過剰になって、イライラが強まる
 

神経伝達物質の産生

・BH4…チロシン、Lドーパ、5HTPといった様々な神経伝達物質の産生に関わっている補酵素
・BH4の阻害要因…アルミニウム、アンモニア、MTHFR1298の遺伝子変異
 

 尿酸不足は低メチレーション

・メチオニン→SAMe→SAH(S-アデノシル-L-ホモシステイン)→ホモシステイン
この代謝において、SAHからホモシステインに変換されるところでAHCYが働く
・AHCYによってホモシステインとアデノシンが生成し、アデノシンは、イノシン→ヒポキサンチン→尿酸と代謝される
・尿酸値はメチル化回路の状態を見るひとつの指標のになる
⇒尿酸が低ければ、AHCYの働きが悪くSAHが上がり、低メチレーション状態になっていると推測できる※尿酸は体内で作られる強力な抗酸化物質なので、尿酸が低い人は抗酸化対策が必要となる
※ヒポキサンチンの補酵素であるモリブデンを摂取することが対処的には良いが、根本的には炎症を治してメチレーション回路を回すことが重要
 ・SAHが上がると、COMTの働きが弱まるため、ドーパミン、アドレナリン、エストロゲンの分解ができなくなる
・エストロゲンとドーパミンの分解には、同じ酵素が使われるため、生理周期後半にイライラしやすいのは、エストロゲンが過多になってドーパミンの分解が追いつかなくなるため~ビタミンB6を摂取しCOMTの働きを補助すると、生理周期に伴うイライラを和らげることができる
 

ミトコンドリア機能とメチレーション

・メチオニンをSAMeに変換するMATという酵素は、補酵素としてマグネシウムをたくさん必要とする
・ミトコンドリア機能障害がある場合、メチレーションが低下している
・硫酸経路にもエネルギーを多く使われる~人間のエネルギーの3割は解毒に使われる
※ミトコンドリア機能の低下により硫酸経路が止まると、解毒力低下
 
 

まとめ

・ASTとALT低値⇒COMTとCBSの低下を疑う~COMT↓(イライラ)、CBS↓(解毒できない、HCT↑)
・尿酸値低値⇒低メチレーションでCOMT(低下)にも影響している可能性
・クレアチニ低値⇒一般的には低メチレーション(例外的に高メチレーションの場合もある)
・ミトコンドリアの機能低下⇒低メチレーション、SAMe不足になる~炎症があれば、まず炎症を抑える
・炎症⇒MTR↓、CTX↓(解毒できない)
・ストレス⇒BHMT↑(言語の問題など)
 
 

知的能力障害

・知的能力障害と診断されても明確な病理的要因はなく、身体的な障害も伴わないのが一般的
・生理的な要因以外に、遺伝子疾患や染色体異常などの遺伝的要因、低栄養、感染症、神経毒、神経障害などが原因となることもある

病理的要因

具体例)

  • フェニルケトン尿症
  • 神経線維腫症
  • 甲状腺機能低下症
  • 脆弱X症候群
  • ダウン症候群
  • 22q11.2欠失症候群
  • 妊娠中の母体の重度の低栄養や感染症
  •  
  • アルコール
  • 鉛、メチル水銀などの有毒物質の曝露
  • フェニトイン、バルプロ酸などの薬剤
  •  
  • 神経の発達(孔脳症性嚢胞)
  • 分娩時における低酸素症や極度の低出生体重
  • 出生後の感染症…髄膜炎、脳炎
  • 重症の頭部外傷
  • 小児の低栄養
  • 脳腫瘍とその治療
  •  

心理社会的要因

・養育者からの重度のネグレクトや情緒的虐待
 

症状

次の領域における適応行動の不全によって特徴付けられる
 
○概念的領域
読み書き、金銭、時間、数の概念など
 
○社会的領域
対人スキル、社会的責任感、自尊心、純粋でだまされやすい
問題解決、規則や法の遵守、被害に合うことを避ける
 
○実用的領域
処理、職業機能、健康管理、交通機関の利用
規則正しい生活、安全、金銭の使用、電話の利用
 
 
 

注意欠如・多動症:ADHD

・7歳までに明らかになり、生活のさまざまな場面で2つの特性による行動が確認みられる
・これらの症状は短期間で消失しないため、学業や友人関係の構築がむずかしくなる
・学童期や成人になっても持続することが多い
・男児のほうが女児よりも多い
 
・ADHDと自閉スペクトラム症は異なる
⇒自閉スペクトラム症…コミュニケーション/対人行動の障害と興味の限局/行動のパターン化
 

原因

・医学的には、はっきり分かっていないとされている
・次のような可能性がある…遺伝的な要素、妊娠期間中の喫煙やアルコール、ある種の化学物質、分娩前後で生じた脳への障害
 
・ADHDでは、脳内の物質のドーパミンやノルアドレナリンの機能が低下している
 

症状

○不注意
・集中力が持続しない
・継続的に1つの物事に取り組むことができない
・ミスやなくし物が多い
・上の空になりやすい
・他者から見ると怠けている、と思われやすい
 
○多動性・衝動性
・じっとしていることができずに絶えず動く
・授業を椅子に座って聞き続けることが困難
・貧乏ゆすりを繰り返す
・あまり深く考えずに、すぐに行動に移す
・思いついた言葉を発して他人を傷つける
 

病院での検査と診断

・学童期以前からADHDの特性がみられたかどうかの確認
・心理テスト
・脳血管疾患、脳腫瘍、てんかんなどの病気の有無~画像や脳波の検査
 
 

学習障害(限局性学習障害)

・知的水準や身体の機能に大きな障害はないが、読み書きや計算など特定分野の学習を苦手とする
・注意欠如・多動症(ADHD)や自閉症スペクトラム障害などと併存するケースが多い
・症状が明らかとなるのは、教科学習が始まる学童期になってから

原因

○脳機能の問題があるが、さまざまな可能性がある
・妊娠中の母親の薬物摂取、妊娠高血圧
・低出生体重 
・生後の重度な黄疸
・出生後の髄膜炎など中枢神経への感染症
・低栄養
 

症状

・「話す」「理解」はできる
・読み書きや計算、聞き取りなどの特定分野の学習能力が著しく低い
・幼児期から文字に興味を示さない、数を数えられない
・知的水準や身体機能に異常はないが、注意欠陥・多動症や自閉症スペクトラム障害を併発するケースが多い~注意力や集中力が散漫である、周囲とうまくコミュニケーションが取れない
・生きづらさを感じる~気分の落ち込みや過度な不安感などが現れる
・成長すると、引きこもりや他者への攻撃
 

病院での対応

○心理検査
○書字、読字、計算の検査
○画像検査…脳腫瘍など脳の病気がないか調べる
○身体機能検査…視覚や聴覚の異常がないか調べる
 
○薬物療法…うつ病や不安障害、睡眠障害など精神的な病気を伴う場合
 
 

その他の発達障害

主な特性

・体の動かし方の不器用さ
・チック…我慢していても声が出たり体が動く
・吃音
 
(配慮のポイント)
・本人をよく知る専門家や家族にサポートのコツを聞く
・叱ったり拒否的な態度を取ったり、笑ったり、ひやかしたりしない
・日常的な行動の一つとして受け止め、時間をかけて待つ
・苦手なことに無理に取り組まず、できることで活躍する環境を作る

 

自閉症について

(主な特性)
・相手の表情や態度などよりも、文字や図形、物の方に関心が強い
・見通しの立たない状況では不安が強いが、見通しが立つ時はきっちりしている
・大勢の人がいる所や気温の変化などの感覚刺激への敏感さで苦労しているが、それが芸術的な才能につながることもある

(配慮のポイント)
・本人をよく知る専門家や家族にサポートのコツを聞く

・肯定的、具体的、視覚的な伝え方の工夫
~「○○をしましょう」といったシンプルな伝え方
~その人の興味関心に沿った内容や図・イラストなどを使って説明する

・スモールステップによる支援手順を示す
~モデルを見せる
~体験練習をする
~新しく挑戦する部分は少しずつにする

・感覚過敏がある場合…音や肌触り、室温など感覚面の調整を行う
~イヤーマフを活用
~大声で説明せずホワイトボードで内容を伝える
~人とぶつからないように居場所をつい立てなどで区切る
~クーラー等の設備のある部屋を利用できるように配慮する
 
○自閉症スペクトラム障害(自閉症やアスペルガー症候群、特定不能の広汎性発達障害など)
・メタロチオネイン、グルタチオンの極端な不足により酸化ストレスが増大
~その個体の酸化防御能力をオーバー(脳に炎症が起こる)
~ブックマークが書き換えられ、脳に不可逆的な変化が起こる

・自閉症の98%が低メチレーション(健常人2割、うつ4割、拒食症8割)

・4歳までに脳の発達において、つまづきが生じる
・小脳と扁桃体の領域が顕著に未成熟
・海馬の機能低下により言葉の遅れ
・脳の構造的問題に加えて、消化管の問題が起こる
~免疫力低下、過敏症
~睡眠障害、不安症、夜尿症
 

 自閉症治療の難しさについて

・メチレーションに深い関わりがある
・自閉症児の脳は発達段階にあり、様々な外的影響を受けやすい
 

自閉症発症の原因

○ダン・ロシニョール博士の分析
・自閉症には 炎症、酸化ストレス、ミトコンドリア機能不全、毒物曝露が関係している
 
○自閉症に関するレビュー
・炎症・免疫不全(95%)
・酸化ストレス(100%)
・ミトコンドリア機能不全( 95%)
・毒物曝露(89%)

 

 代替医療の有効性

○代替医療におけるエビデンスレベルの高い治療方法
・メラトニン
・ナルトレキソン(オピオイド拮抗薬)
・音楽治療
 
・栄養療法…メチレーションに関わる栄養素の摂取
⇒ビタミンB12、B6、B3、亜鉛など
 
○ロシニョール博士の報告による自閉症児の親へのアンケート結果
・効果のあった治療の1位:キレーション、2位:ビタミンB12注射、3位:メラトニン摂取
 
 
 

分子栄養学からの考察…自閉症

 
○自閉症の家系
・一卵性双生児において、片方が自閉症を発症した場合、もう片方が発症する確率は60~90%~遺伝の影響が強い⇒家系で自閉症の方がいる場合、MTHFRの遺伝子検査がすすめられる
 
○低メチレーション同士の夫婦
・自閉症児の親は、学業優秀だったり、社会で高い業績をあげていることが多い~意志が強く、強迫傾向、注意力の行き届くようなタイプである低メチレーションのことが多い
 
・低メチレーション傾向の夫婦から自閉症の子供が産まれる確率が上がると言われている
⇒食事、解毒、酸化ストレス、炎症などを検証し、必要に応じてサプリメンで体質を調節する
 
 
○薬剤の影響
妊娠から20~24日目に子宮内ブックマークの書き換えが起こると考えられるため、妊娠する前から対策をする必要がある
 
 
○産後の酸化ストレスに対するケアの必要性
・妊娠前だけでなく、生後のケアも重要となる
・自閉症は退行型発症が80%~生後16~24ヶ月までは正常で、その後突然発症するケースが多い
自閉症児は、グルタチオン、セレン、システイン、マグネシウム、亜鉛、ビタミンAが不足しており、水銀、鉛、銅が過剰で、酸化ストレスを生みやすい状態にある
⇒防御能力以上の酸化ストレスが体に加わると、脳が不可逆的な炎症を起こし、自閉症が発生する
⇒十分な抗酸化対策が必要~カゼインフリー、グルテンフリーなどの腸内環境ケアも重要
 
 


 

アプローチ例

 
改善された方のご厚意により、写真撮影などの許可をいただきました。
同じような症状でお困りの方にとって、ひとつの目安や判断材料になればと思います。

強迫性障害
11歳男児(大阪府)
2022年3月(初回)
 

これまでの経過

小学2年生…心療内科で強迫性障害の診断~薬剤摂取し、数か月後によくなってきた
小学5年生…学校を休みがちになる~心療内科受診し薬剤が処方されるが飲むのを嫌がる
 

カウンセリングと分析

・季節アレルギー(花粉症)がある~ヒスタミンレベルが上昇していることをうかがわせる→低メチレーションの可能性を疑う
・性格が真面目過ぎて、融通が利かない
・勉強は人並み以上にする、完璧主義のところがある

アプローチ

  • 低メチレーションで、神経伝達物質のセロトニンやドーパミン受容体活性低下があると考えられたため、食事やサプリメントのアドバイスを行った

 

結果

  • タンパク質の摂取不足に気をつけ、亜鉛その他少しサプリメントを摂っていたところ、数か月して以前のような異常行動がなくなってきた。
  • 2023年現在…とても調子よく、学校にも行けている

 

 

不登校、起立性低血圧、頭痛、光過敏

13歳男子(三重県)
2021年4月
 

病院の検査

  • 起立性低血圧の診断~メトリジン処方
  • 斜位などの目の異常を指摘されている
  • 血液検査…総ビリルビン1.5(直接ビリルビン0.5)、LD(乳酸脱水素酵素)109、ALP510、AST16、ALT8、TSH(甲状腺刺激ホルモン)0.8、FT3:3.69、フェリチン19

 

カウンセリングとアプローチ

  • 母親が極度の貧血だった~子供にもその傾向が出てくるため、食生活の改善を指導
  • タンパク質と亜鉛に関しては、サプリメント摂取を勧める
  • その後、ビタミンBに関してもサプリメントから補助的に摂取

 

結果

  • 2か月後から、朝起きられるようになり、休まず学校に行けるようになった。
  • 光過敏がなくなってきた
  • 4か月後、頻繁におこっていた頭痛がでなくなってきた

 

双極性障害、肩こり・頭痛

17歳 男性(大阪府)
2019年3月
 

・医療機関で双極性障害の診断~薬剤の処方
・薬剤があまり効かないので、いろいろネットで調べているうちに分子栄養学の領域から改善できることもあると知り、しん研良院に来院

アプローチ

  • 浅い呼吸に対して: 胸郭の可動域
  • 頭蓋骨縫合の調整
  • 食事とサプリメントのアドバイス

 

結果

  • 1年後、かなり元気になることが出来た
  • 2年後、特に問題なく生活を送れている

 

ノートと考察

 

  • このコーナーは、考察や各種情報をノートとして不定期に書き加えているものです。
  • 私自身の記憶の整理用のノートですので、考えるヒント程度にお読みください。
  • 「~だ」のような断定的な表現もありますが、あくまでもここに書いているのは考え方の一例に過ぎません。
  • より良い情報が見つかるたびに、訂正や追加を加えます。
  • 疑問点などのご指摘をくださる方があれば幸いです。

発達障害とは

 

発達障害)次のような症状の総称
・生まれつきの脳の問題によって言葉の発達が遅い
・対人関係をうまく築くことができない
・特定分野の勉学が極端に苦手
・落ち着きがない
・集団生活が苦手
 
 
○症状の現れ方は発達障害のタイプによって大きく異なる
・知的障害/知的能力障害群
・自閉症スペクトラム障害
・注意欠如・多動症(ADHD)
・限局性学習障害
 
○幼少期または学童期から症状が現れるが、変わり者や怠け者という認識がされた場合、見過ごされることもある
・社会人になってから、不注意やミスが目立ち、初めて診断の出るケースもある
 
○発達障害を抱える当事者はさまざまな場面で「生きにくさ」を感じている
 
 

原因

・現代の医学では、脳の機能障害と考えられていて、明確な発症メカニズムは分かっていないとされている
・遺伝や胎児期の感染症、農薬への暴露などが発症に関与しているという考えもある
 

症状

・発症率の高い自閉症スペクトラム障害は、幼児期から他者とのコミュニケーションが苦手、こだわりが強い、融通が利かない、といった症状が見られる
 
・注意欠陥・多動性障害は、7歳頃までに、注意力が散漫で、衝動性の高い行動が見られる
 
・学習障害は、知的水準自体は低くないものの、読む・書く・計算などの特定の分野の学習能力が極端に低い
 
・幼稚園や小学校などの集団生活を開始すると症状がより顕著になる
 
・成長とともに症状が目立ちにくくなることもある
⇒しかし、単純なミスや不注意を起こしやすいことなどで社会人になってから生きにくさを強く実感し、二次的に不安症状やうつ症状を併発することもある
 
・トゥレット症候群のようにまばたき・顔しかめ・首振りのような運動性チック症状
・咳払い・鼻すすり・叫び声のような音声チック症状
 

検査

・心理士などによる心理検査・発達検査・知能検査の結果が診断の重要な手がかりとなる
 
・発達障害と似た症状が、脳腫瘍など脳の病気によって引き起こされることもある
⇒頭部CTやMRIなどによる画像検査
 
・発達障害はてんかんを併発しやすいため、脳波検査が行われることがある
 
・甲状腺機能低下症など何らかのホルモン分泌異常が原因で引き起こされることもある
⇒血液検査で各ホルモン値などを調べる
 

医療機関の治療

○薬物療法
・精神刺激薬…脳のはたらきを活性化させることでADHD症状を治療する
・睡眠薬…併発した不眠に対して
・抗うつ薬…併発したうつに対して
 
・療育…幼少期から自身の症状をカバーするような日常生活の習慣を身に付ける
 
 

 
 

 

分類

以下、厚生労働省「障害者差別解消法福祉事業者向けガイドライン」を参考に記載したものから
 

自閉症スペクトラム

主な特性)
相手の表情や態度などよりも、文字や図形、物の方に関心が強い。
見通しの立たない状況では不安が強いが、見通しが立つ時はきっちりしている。
大勢の人がいる所や気温の変化などの感覚刺激への敏感さで苦労しているが、それが芸術的な才能につながることもある。
配慮のポイント)
本人をよく知る専門家や家族にサポートのコツを聞く。
肯定的、具体的、視覚的な伝え方の工夫(「○○をしましょう」といったシンプルな伝え方、その人の興味関心に沿った内容や図・イラストなどを使って説明するなど)。
スモールステップによる支援(手順を示す、モデルを見せる、体験練習をする、新しく挑戦する部分は少しずつにするなど)。
感覚過敏がある場合は、音や肌触り、室温など感覚面の調整を行う(イヤーマフを活用する、大声で説明せずホワイトボードで内容を伝える、人とぶつからないように居場所をつい立てなどで区切る、クーラー等の設備のある部屋を利用できるように配慮するなど)。
 

ADHD:注意欠陥多動性障害

主な特性)
次々と周囲のものに関心を持ち、周囲のペースよりもエネルギッシュに様々なことに取り組むことが多い。
配慮のポイント)
本人をよく知る専門家や家族にサポートのコツを聞く。
短く、はっきりとした言い方で伝える。
気の散りにくい座席の位置の工夫、わかりやすいルール提示などの配慮。
ストレスケア(傷つき体験への寄り添い、適応行動ができたことへのこまめな評価)。
 

学習障害(限局性学習障害)

主な特性)
「話す」「理解」は普通にできるのに、「読む」「書く」「計算する」ことが、努力しているのに極端に苦手。
配慮のポイント)
本人をよく知る専門家や家族にサポートのコツを聞く。
得意な部分を積極的に使って情報を理解し、表現できるようにする(ICTを活用する際は、文字を大きくしたり行間を空けるなど、読みやすくなるように工夫する)。
苦手な部分について、課題の量・質を適切に加減する、柔軟な評価をする。
 

その他の発達障害

主な特性)
体の動かし方の不器用さ、我慢していても声が出たり体が動いてしまったりするチック、一般的に吃音と言われるような話し方なども、発達障害に含まれる。
配慮のポイント)
本人をよく知る専門家や家族にサポートのコツを聞く。
叱ったり拒否的な態度を取ったり、笑ったり、ひやかしたりしない。
日常的な行動の一つとして受け止め、時間をかけて待つ、苦手なことに無理に取り組まず、できることで活躍する環境を作るなど、楽に過ごせる方法を一緒に考える。