栄養療法について
しん研良院では、分子栄養学(オーソモレキュラー)や機能性医学、カイロプラクティック栄養学に基づいた栄養療法を行っております。
これにより、体の中から体を良くすることが出来ています。
うつやパニックなどの精神疾患系から、PMSや整理周期に伴う頭痛腰痛などの婦人科系疾患、慢性疲労やこどもの不登校、原因のよく分からない手のこわばりや脚のしびれ・ムズムズ、腰痛肩こりなどにいたるまで、さまざまな体調不良や痛みの改善を行っています。
カイロプラクティックの手技によるアプローチだけでなく、栄養(生化学)の面からの考察もないと本当の健康を目指すことはできません。
なぜなら、私たちの体は植物のように光合成できず、食べたものからできているからです。
ただ、ネットや各種書籍から得られる情報は断片的、部分的なもので、個別に最適な答えを見つけるのはとても困難です。
腸内環境ひとつとっても、十人十色でなんの腸内細菌が多くて、何が少ないか全く異なります。
ミネラルやビタミンも遺伝やストレスなど様々な状況で、個別にみていかないと、サプリメントを摂っても全く効かなかったり、余計に症状が悪化したりする可能性があります。
【症状から推測できる原因要素】
『炎症体質』
□ストレスが強い
□魚より肉を好む
□外食が多い □太っている □タバコを吸う
□胃腸の調子が悪い~胃痛、胸焼け、便秘、下痢
□アトピーがある
□虫歯、歯周病がある(あった)
□睡眠不足である
□日に当たらないことが多い
□脂肪肝がある(肝臓の血液データで、AST<ALT)
□ぽかんと口を開けている(口呼吸している)
□喉の奥の痛み、後鼻漏、首肩こり、頭痛、耳閉感
□おなかのガスがたまりやすい(腹部膨満感がある)
■血液データ参照値
血小板…20万以上
CRP…0.5以上
血清鉄(Fe)が50以下かつフェリチンが30以上の場合
フェリチンが100以上の場合
『うつ体質』
□寝つきがよくない
□夜中に起きることがある
□以前に比べてやる気が出ない
□悲しいと感じるときがある
□集中力が落ちた
□死についてよく考える
□いろいろなことに興味を持てなくなった
□疲れやすい
■血液データ参照値
〇好塩基球数70以上(低メチレーション)または30以下(高メチレーション)
※好塩基球数=白血球×好塩基球率Baso
〇以下のピロール体質の所見
・AST-ALTが2以上、かつ両方が20以下
・亜鉛90以下で銅110以上
『腸内環境異常』
□抗生剤をよく使う
□便秘気味(毎日便が出ない)
□黄褐色でバナナ型の便が出ない
□便が臭い
□便に粘液が混じる
□週2回以上下痢をする
□腹部膨満感がある・・食後などにお腹が張る
□ストレスがあると消化器系が不調におちいる
□アルコール類をよく飲む
□タバコや香水のにおいに敏感
□気分が不安定である
□寝ても疲れが取れない
□小麦製品、お菓子、清涼飲料が多い
□水虫がある
□カンジダになりやすい
□食後に腹痛がある
□原因の分からないめまい、動悸(どうき)がある
□食物アレルギーがある
『消化不良』
□胃もたれがある
□胸焼けがある
□げっぷが出る
□よく頭痛を起こす
□食後に関節や筋肉が痛む
□口臭がある
□胃薬をよく飲む
□食後不快な味が口に残る
□少し食べただけで満腹になる
□便に未消化物が残っている
□あぶらものを食べるとおなかを下す
□体重管理が難しい
□多くの食品にアレルギーがあったり敏感だったりする
□ガスがたまったり、膨満感が出たりする
□血糖値や血圧が高い
□腎臓結石がある
『解毒力低下』
□強い疲労感がある
□慢性の頭痛がある
□強いイラつきがある
□集中力が低下した
□人格が変わったといわれる
□夜間頻尿がある
□記憶障害がある
□突然怒りがこみあげてくる
□優柔不断である
□マグロなど大型魚をよく食べる
□理由なく突然腹痛がおこる
□暖かい日でも冷えを感じる
□手足のしびれがある
□香水やたばこの煙に過敏な反応
□カフェインやアルコールに過敏な反応
□しつこい耳鳴がある
□手足にチクチク感がある
□原因不明の筋肉痛がある
『エネルギー不足』
□説明のつかない疲労感が常にある
□8時間睡眠では足りない
□やる気が起きない、元気が出ない
□甘いものが欲しくなる
□階段をのぼると疲れ、息切れがする
□少し無理をすると次の日動けない
□貧血があり献血を断られる
□集中して考えられなくなった
□運動をしても爽快な気分にならず疲れる
□無理をすると次の日に動けない
■血液データ参照値
・AST-ALTが2以上、かつ両方が20以下
・フェリチン…30以下
・間接ビリルビン…0.6以上
・尿酸…4.0以下
『慢性上咽頭炎』
□いつも口を開けている
□口呼吸をしている
□朝起きたときにのどが痛い(乾いている)
□声のかすれや鼻声がある
□風邪をひきやすい
□慢性の咳、むせこむ
□耳閉感…耳のつまり感
□後鼻漏がある
□喉や鼻の奥が気持ち悪い(違和感がある)
□なかなか治らない首の痛みや違和感
□微熱がある
□めまい、ふらつき
□頭痛、肩こり、顔の痛み
□アレルギー性鼻炎に伴う自立神経失調症
『甲状腺機能低下』
□基礎体温が36.5度以下、冷え性
□抜け毛が増えた □皮膚ががさがさ乾燥している
□声がかすれる(嗄声:させい)、声が低くなる
□圧迫してもへこまない足やまぶたのむくみ(粘液水腫)
□なにごとにもやる気をなくしてしまう(抑うつ症状)
□忘れっぽくなった、覚えづらくなった(認知機能の低下)
□食欲が減るのに体重が増える □月経異常
□脈がゆっくりになる(徐脈)
□いつもより疲れやすくなった(易疲労感:いひろうかん)
『SIBO(小腸内細菌異常増殖症)』
□食後に腹部膨満感がある
□便秘や軟便(下痢)がある
□胃薬(胃酸抑制剤)をよく使用する
□ガスがよく出る
□食後よくげっぷが出る
□不安、うつ、質の悪い睡眠/不眠、気分のむらおよびイライラ感などがある
□ストレスを日々強く感じている
□乳糖不耐症がある(牛乳を飲むとゴロゴロする)
□次の診断を受けたことがある
・セリアック病 ・甲状腺機能低下症
・過敏性腸症候群(IBS) ・ピロリ菌感染症
・IBD(潰瘍性大腸炎またはクローン病)
・酒さ/ニキビ、・糖尿病 ・慢性疲労症候群
・線維筋痛症・ムズムズ脚症候群 ・肝硬変
『腸カンジタ』
□抗生物質を長期間、または繰り返し使用したことがある
□副鼻腔、耳、気管支、肺、尿道炎などに繰り返しかかった
□倦怠感(けんたいかん)や昼間の眠気がある
□生理痛が強い
□甘いものがほしくなる
□化学物質化敏症(タバコの煙、香水など)がある
□短期記憶障害、思考の妨げがある
□ピルやステロイドを長期間飲んでいる
□食べ物のアレルギーがある
□腹部膨満感が強い。下腹部が異常に出ている
□水虫など、爪や肌に慢性の真菌感染症がある
□糖尿病か低血糖症である
□耳、肌、髪、膣、肛門が痒い
□頭に霧のかかったような症状がある
□慢性的な頭痛がある
【ビタミンの欠乏症や過剰症について】
ビタミン名
主な働き、欠乏によって生じる症状 ●過剰によって生じる症状
_____________________________
ビタミンA(レチノールなど)
●ステロイドホルモンの仲間。遺伝子発現の制御を行う ●欠乏で異常角化~ドライアイ、アトピー ●成長促進 ●細胞分裂の多いところに作用(胃腸粘膜、口腔内、生殖器)
〇合成レチノイン酸は胎児の奇形
ビタミンD
●免疫~花粉症から免疫系疾患まで関連する、副甲状腺機能亢進症 ●カルシウム代謝異常~骨粗しょう症、くる病、骨軟化症
※高齢者、有色人種、日に当たらない人で不足
〇高カルシウム血症
ビタミンK
●出血傾向
ビタミンE
●酸素必要量を減らす ●血栓を溶かす~心血管系疾患への効果 ●脂質への抗酸化~アンチエイジング
ビタミンB1(チアミン)
●初期欠乏で疲労感、体重減少、食欲不振。その後消化器症状や神経学的徴候(チクチク感)
●糖質利用障害、血糖値↑ ※アルコールはB1の吸収・代謝を阻害 ●脚気
ビタミンB2(リボフラビン)
●粘膜機能維持~舌炎、口角炎、皮膚炎 ※酸化還元酵素の補酵素(特に脂質代謝に関連)、グルタチオン還元酵素として働く※尿を蛍光色(B2の色)にする
●甲状腺機能、てんかんとの関連
ビタミンB6(ピリドキシン、ピリドキサル、ピリドキサミン)
●食欲不振、倦怠、末梢神経障害 ●発達障害や精神疾患系~ピロール尿症でのB6/亜鉛欠乏、ドーパミン代謝↓、GABA↓、セロトニン↓ ●月経前の緊張、つわりの軽減、●シュウ酸塩合成↓の作用があり結石予防
※アミノ基転移反応(AST,ALTの関与)の補酵素
〇キノリン酸増加
ビタミンB12(コバラミン)
●欠乏で赤血球の肥大~巨赤芽球性貧血 ●菜食主義者で欠乏 ●むずむず脚、四肢しびれ~ミエリン脂質のメチル化障害⇒脱髄、高ホモシステイン~脳梗塞、血栓症の危険因子●精神疾患系の患者で葉酸とともに血中濃度低下
ビタミンB3(ナイアシン)
●ベラグラ(皮膚炎、下痢、認知症)●ドーパミン量減少⇒統合失調症メチレーション亢進タイプに有効
●高脂血症(HDLを上げ、LDLを下げる)、頭痛、エリテマトーデス アルコール依存~多飲で需要亢進
葉酸
●欠乏で赤血球の肥大~巨赤芽球性貧血 ●精神疾患系の治療において過剰なドーパミンの再取り込み促進の働き。
●DNA合成、神経の発達~流産、二分脊椎症(妊娠3週頃の神経管形成↓)
ビオチン
●脂漏性皮膚炎、舌炎
ビタミンC(アスコルビン酸)
●コラーゲンの生成~結合組織の異常(歯肉炎、内出血、椎間板ヘルニア)
●欠乏で感染症↑~風邪など
●コレステロールの可溶性●心臓病
●ヒスタミンの破壊~アレルギー↓●副腎や肝臓、眼球に局在
【ミネラルの欠乏症や過剰症について】
ミネラル名
●主な働き、欠乏によって生じる症状 ●過剰によって生じる症状
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亜鉛:Zn(Zink)
●免疫に関するT細胞、好中球、マクロファージを活性化
●味覚・嗅覚障害●細胞分裂に関与~妊娠時や手術後、創傷・火傷の治癒時に必要/欠乏で爪や髪の成長遅延、脱毛
●インスリンの核~糖尿病 ●亜鉛要求性酵素のALP低値⇒痛み過敏
●重金属の解毒作用~亜鉛メタロチオネイン、肝臓
●Ⅰ型アレルギー(花粉症、アレルギー性鼻炎、アトピー性皮膚炎、気管支喘息)
●海馬や大脳皮質などで高濃度~アルツハイマー型認知症、てんかん、記憶力低下、怒りっぽい、幻覚、幻聴、暴力
銅:Cu
●ヘモグロビンの形成 〇妊娠でセルロプラスミン(銅の運搬タンパク)が増加⇒不安感や抑うつ、妊娠中毒症
〇精神疾患系…幻覚、幻聴、気分の変動、暴力性
マグネシウム:Mg
●酵素の活性化に関わる。脳と心臓に多い。ATP産生、DNA/RNA産生で重要
●Caをコントロールし、不足すると細胞が収縮過剰⇒肩こり、頭痛、気管支喘息、不整脈、高血圧、便秘、けいれん
※不足の背景に薬剤の副作用、下痢、高Ca血症、アルコール多飲、低K血症、吸収障害
●グルタミン酸受容体を抑制⇒精神不安定の改善
●ADHD児の多動性を軽減●糖尿病、骨粗しょう症
カルシウム:Ca
●筋収縮、血栓形成、神経の興奮伝達、細胞膜透過性の制御、酵素活性、PHの調整
〇心筋を動かすために血中Ca濃度を保っている~代償的に脱灰亢進などの代謝異常が起こる
〇酸性環境を中和するアルカリとして働き、骨や歯を脱灰(Caが溶け出す)⇒脱灰と再石灰化のアンバランス~異所性石灰化(余ったCaの局在異常)⇒歯石、骨隆起、動脈硬化、結石、五十肩
鉄:Fe
●大半はヘモグロビン、残りは骨髄や脾臓にある●鉄欠乏貧血の女性が多い~酸素運搬能力↓⇒ミトコンドリア障害~疲労、うつ症状
●胎児、成長期、アスリート、女性に重要
〇過剰は排出困難
マンガン:Mn
●成長障害、糖尿病様の代謝異常、けいれん、てんかん
●抗精神病薬の副作用で欠乏し遅発性ジスキネジア
〇頭痛、筋肉痛、浮腫、髪の赤色化、(筋萎縮性側索硬化症:ALS?)
セレン:Se
●抗酸化物質、重金属(水銀、ヒ素、カドミウム、銅)に対する抗毒作用、成長促進、抗がん作用
【微量栄養素(ビタミン・ミネラル)について】
●ビタミンC(化学的に、物質的にはアスコルビン酸と呼ばれる)
・体のサビを除く(抗酸化)作用や抗ウィルス作用があります。またタンパク質と鉄とともにコラーゲンを作りますので、肌や軟骨、骨の健全性に関わっています。
・1g(1,000㎎)を1時間おきにとっていくと、ある量でおなかが緩くなってきます。これはビタミンCの作用ですが、その人の腸の許容範囲の上限を意味します。普段使いとしてはその量の60%を目安とします。
ただし、1回につき2g以上摂るのは吸収率から見て経済的でないので、1回につき1g(1,000㎎)で摂るようにします。たとえば、6グラムでおなかがゴロゴロしてくるならば、1日に1gを6回に分けてとります。
風邪を引いた場合は、腸の許容範囲がアップします。風邪を治す目的であれば、1時間おきに1gを9回摂れば風邪症状がかなり治っていきます。
・吸収されなかったビタミンCは腸で乳酸菌などを増やしてくれます。
※長期間継続的に4グラム以上服用する場合は、ビタミンCが体内金属と結びつき酸化することがあるため、ビタミンEのサプリメントとともに摂ってください。
※ビタミンCのサプリメントには、粉末、液状、カプセル、錠剤などのタイプがありますので、好みや効果、値段など総合的に考えて選択されると良いです。値段の安すぎるものは原材料に粗悪なものが含まれている可能性があり、避けた方が良いです。
・アスコルビン酸は、メラノサイト(シミを作る色素細胞)がメラニン(シミの色)を作りだす過程で、複数の段階に作用してメラニンの産生量を抑え、L-システインと同様にメラニン産生の初期に働くチロシナーゼの活性を阻害する。また、メラニンが作られる際にその原料となるドーパを還元してシミを作りにくくする作用がある。アスコルビン酸は、メラニンが作り出されるのを抑制するだけでなく、すでに蓄積されてしまったメラニンに直接作用してそれを分解することでシミを薄くする。
・コラーゲンは、からだのタンパク質の1/3を占めている重要なタンパク質で、細胞と細胞をつなぎ合わせて、骨、皮膚、血管、歯、軟骨など様々なところで使われている。アスコルビン酸が、鉄とともにタンパク質に働きかけてコラーゲンを作るため、ビタミンCの不足は軟骨や骨、皮膚の弱さにつながる。。
・アスコルビン酸は免疫力を高め、日ごろからアスコルビン酸を摂っていると感染症にかかりにくくなったり、かかっても軽くて済む。~多くとっても余剰分が腸に残りウィルスに抵抗してくれる。
・腎臓疾患や、鉄過剰症、グルコース-6-ホスファターゼ欠損症の方は、アスコルビン酸の大量服用を避ける。
・以前では結石リスクが言われていたが、現在ではビタミンCの結石リスクは否定されている。
●ビタミンB群・・・ビタミンB1、ビタミンB2、ビタミンB6、ナイアシン、パントテン酸、ビオチン、ビタミンB12、葉酸
・あらゆる酵素の補酵素としてエネルギー代謝に関わっている。体の中で起こる様々な化学反応をスムースに行えるようにする働き。つまり、欠乏するとエネルギーがうまく作れず、疲れやすくなる。
・次のような症状がよくあらわれる場合、ビタミンB群の欠乏を疑います。
寝ても疲れがとれない/日中眠くなる/ 集中力が続かない/肩こりが治らない/口内炎・口角炎ができやすい/風邪を引きやすい/下肢がしびれる/うつ、不安、イライラ
・ビタミンB群はどれかひとつだけでは効果を発揮しにくく、お互い助け合いながら働くため、B群を複合体(Complex:コンプレックス)として一緒に摂ることが望ましい。
・様々な食品に含まれているが、潜在的に欠乏している人が多いと考えられる。
・水溶性なので体に蓄積しない。尿の色が蛍光色になるのはビタミンB2の影響で害はない。
・ナイアシン…アルコール依存、統合失調症、高脂血症、関節炎などで用いることがある
・ビタミンB1(チアミン)…精製された穀物やアルコール多いと不足~糖質利用障害がおこる
・ビタミンB6…発達障害や精神疾患系、光・音などの感覚過敏、つわりなどで用いることがある
・ビタミンB12…欠乏で赤血球の肥大~末梢血液循環不良、むずむず脚、精神疾患系。
・葉酸…妊娠3週ごろの神経管形成に必要。過剰なドーパミン再取り込み促進の働きがある。
・ビオチン…掌蹠膿疱症、湿疹(アトピー性皮膚炎など)、尋常性乾癬、ニキビ、花粉症などと関係
●ビタミンA
・次のような症状がよくあらわれる場合、ビタミンAの欠乏を疑います。
肌が乾燥する/眼が乾燥する(ドライアイ)/ピロリ菌感染/イボやウオノメができやすい/風邪を引きやすい/しわが気になる/夜盲症/ニキビや吹き出物/がん家系である/アトピー性皮膚炎が気になる/子宮内膜症や子宮筋腫がある
・ビタミンAは脂溶性ビタミンで、正常視力、免疫システムおよび細胞分裂(生殖器、胃腸粘膜)に欠かせない。心臓、肺、腎臓やその他の臓器が適切に機能するのを助ける。
・肉魚や乳製品に含まれる既成ビタミンA (レチノール及びそのエステル)と、植物由来のプロビタミンAの2種類がある。食品およびサプリメントに含まれる最も一般的なプロビタミンAは、β-カロテン。
・既成ビタミンA(通常サプリメントか薬剤由来)を過剰に摂取すると、めまい、悪心、頭痛、昏睡を生じることがある。妊婦が既成ビタミンAを過剰摂取すると、出生異常を引き起こす場合があるので、妊娠の可能性のある女性は、高用量ビタミンAサプリメントを摂取すべきではない。
・厚労省のビタミンA安全上限値…成人19歳以上~10,000 IU
●ビタミンD
・働き…骨の形成と成長促進、遺伝子の働きを調節(免疫向上・糖尿病予防・発ガンの抑制)
・ビタミンDの臨床応用…乾癬(ビタミンAとともに)、がん、骨粗しょう症、免疫力向上、花粉症など各種アレルギー、糖尿病、うつ病(特に季節性うつ)、統合失調症、不妊症や流産、小児喘息
・人がビタミンDを得るには食べ物から摂る方法と、日光を浴びて紫外線にビタミンDをつくってもらう方法とがある。
・食べ物由来のビタミンDは、ビタミンD2が植物由来、ビタミンD3が動物由来。
・紫外線の中のUV-B(280~315nm)と呼ばれる光がビタミンDを作ってくれるが、これは服やガラスを通らない。いつも屋内で過ごしたり、外出するときに必ず日焼け止めを塗る人は、いつもビタミンD不足になっているおそれがある。ビタミンD欠乏症は、世界中で約半数の人に認められ、その率は上昇傾向にある。
・厚労省のビタミンD耐容上限量は成人で50μg/日としているが、大部分の健康な人にとって安全な1日のビタミンD3摂取量は、250μg(10,000 IU)と報告されている。
治療として用いる場合は、通常10,000IUやそれ以上のことが多い。
●ビタミンE
・ビタミンEはトコフェロールとトコトリエノールの2つに大別され、それぞれδ、 γ、β、αの4種がある(合計8種類)。国内で販売される商品は、この中の数種しか含まれていないものがほとんど。
・天然(食物由来)のビタミンEは「d-α-トコフェロール」と食品やサプリメントの製品ラベルに記載されます。合成の(人工の)ビタミンEは「dl-α-トコフェロール」と記載されます。天然のビタミンEのほうが合成のそれに比べて効力が高いため、サプリメントは天然のビタミンEを選びます。
抗酸化能力は、天然のビタミンEのd-α-トコフェロールとしているものでないと望めません。
・ビタミンEはビタミンCを一緒に摂ることで、相乗効果が得られます。
・ビタミンEは次の様なケースに必要な栄養素…スポーツ選手、日光を多く浴びる、喫煙者、汚染物質の多い環境いる、ストレスが多い、外食などで脂ものをよくとる
・ビタミンEには酸化防止作用があり、体内でフリーラジカルによるダメージから細胞を守るのを助ける栄養素。フリーラジカルとは、、摂取した食物が体内でエネルギーに変わる時に形成される化合物です。大気中にもタバコの煙や大気汚染、紫外線によって発生したフリーラジカルが存在しています。
・免疫機能を高め、体内に侵入してくる細菌やウイルスを撃退するためにも、ビタミンEは必要です。また、血管拡張を促し、血管内で血液が凝固するのを防ぎます。
・ビタミンEを摂るときは脂質やタンパク質と一緒によく摂ると吸収する。
・吸収を妨げるので、鉄分とビタミンEとは一緒に摂らない。ビタミンEを朝食時に摂り、寝る前に鉄分を摂るなどする。
亜鉛:Zink
(亜鉛の働き)
・免疫に関係しています~マクロファージやナチュラルキラー細胞などを活性化
・細胞分裂に関わります~傷跡の修復(手術後やケガ後の治癒に)、髪の毛や爪の成長
・亜鉛不足がある場合、亜鉛摂取により糖尿病の発症を抑えられる~インスリンの核に亜鉛
・慢性痛や痛み過敏に亜鉛の効くことがある~亜鉛要求性酵素ALP低値で痛み過敏
・重金属の解毒作用~亜鉛は脳から銅や鉛・水銀・カドミウムを排出させる作用がある。これにより、イライラ・怒りっぽい・暴力的・幻覚・幻聴などを防いでいる~肝臓での解毒に亜鉛が必要
・悪性腫瘍では血清亜鉛値が低下しているという報告がある~免疫と亜鉛
・Ⅰ型アレルギーの改善~花粉症、アトピー性皮膚炎、アレルギー性鼻炎、気管支喘息
・脳で必要な栄養素~てんかん、アルツハイマー型認知症、記憶力低下などと関係
・味覚障害、嗅覚障害、不妊症、精神疾患(不安、パニック、幻聴、うつ)、拒食症、心筋梗塞、リウマチ、腎不全などとも関係しています。
・尿中に亜鉛とビタミンB6を排出しやすい人~感覚過敏(光、音、におい)、疲労、学習障害
(使用上の注意点)
・空腹時に摂るとおなかが気持ち悪くなるケースがあるため、食事時にとってください。
・亜鉛の摂取上限値は、40mg程度で、食事から8mgとれますので、サプリメントからは15~30mg摂ると良いです。ただし、尿中から排出しやすい人では、50~80㎎摂ることもあります。
・亜鉛は最も効果を感じやすいサプリメントかもしれません。当院のクライアイントの方々でもっとも使われているサプリメントのひとつです。
サプリメント例)
「Thorne Research, ダブルストレングス ジンクピコリネート, 180 ベジキャップス」15㎎や30mg
「Thorne Research, 強度2倍のピコリン酸、植物性カプセル60個」30mg、60粒、約1,900円
・いづれもソーンリサーチ社。
・食事時に1粒。1日1~3回。
「Solgar, ソルガー, ジンクピコリネート, 100錠」22㎎、約900円
・ソルガー社。食事時に1粒。
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●セレン(セレニウム)
・抗酸化物質、水銀やヒ素など重金属に対する抗毒作用、抗がん作用。
・アルコール多飲者は亜鉛とセレンを不足させやすい。
・ビタミンEの再利用を促す。
・心臓と脳の健康に及ぼす酸化ダメージに対して有益とみなされている。
●マグネシウム
・マグネシウムは体内で4番目に多く存在するミネラルで、300種類以上の生化学的反応に関わっている。
・マグネシウムは、カルシウムの体内移動と吸収を制御しているため、不足すると異所性石灰沈着の原因となる…五十肩(石灰沈着)、歯石、骨隆起、骨棘、へバーデン結節など
あるいは、細胞の過剰な収縮を引き起こす…けいれん、頭痛、肩こり、不整脈、便秘、気管支喘息など
サプリメントの例)
「Trace Minerals Research, 低塩メガマグネシウム、400mg、118ml(4液量オンス)」 1,300円
・トーレスミネラルリサーチ社…アメリカで人気のあるミネラルのメーカー。
・米国ユタ州内海産の、 濃縮海水から作っている。
・1日1~4ml(スポイト全量)を目安に、特有の苦みを抑えるためにジュースや食事と一緒にとる。
・まずは1mlから始め、必要に応じて量を増やす。複数回に分けてとると良い。
・一度に多量のマグネシウムを摂ると、お腹がゆるくなることがあります。
●鉄:Fe
・大半はヘモグロビンとして。
・胎児、女性、成長期、アスリートで重要となる。
・貧血の女性が多い~酸素の運搬能力が低下しエネルギー産生が低下~疲労感、うつ、立ちくらみ
・鉄はビタミンEと摂ると吸収阻害するので、サプリメントで摂る場合は寝る前などに摂る。
・鉄は過剰摂取してはいけない。
・腸内環境を整えたうえでサプリメントを使用する。そうでない場合、慢性炎症を悪化させたり、カンジダの増殖を引き起こしやすい。はじめはレバーや赤身肉などの食品から摂るとよい。
精神疾患と栄養療法について・・・
うつ、統合失調症、発達障害、ADHDなど
考え方)
脳内の化学物質のアンバランスによって機能低下が起こっていることが、精神的な不調の原因になっていると考えられています。
たとえば、セロトニンという神経伝達物質が低活性だと「うつ」が引き起こされることになります。
ノルエピネフリンの量が増えすぎると、「不安症」。
ドーパミンの上昇があれば、「統合失調症」。
この神経伝達物質は、モノアミン類を呼ばれるのですが、このような考え方を「モノアミン仮説」といいます。
___________________
例:うつ
セロトニンの不足が原因である場合、セロトニンの材料と補因子を分子栄養学の観点から補います。
神経細胞間の情報を伝える脳の神経伝達物質のひとつセロトニンは、ナイアシン(ビタミンB3)や鉄、葉酸、ビタミンB6などの栄養素が必要です。
セロトニン不足の疑いがあれば、主原料のタンパク質はもちろんそのようなビタミン・ミネラルを食事やサプリメントから十分摂ることが、改善への一歩となります。
ちなみに、病院の薬はセロトニン再取り込み阻害薬などが出されるようです。
このように、分子栄養学的な観点からのアプローチのひとつは、神経伝達物質の正常化です。
そのために次のようなことを行います。
○それぞれの神経伝達物質の量の把握
・セロトニン
・アドレナリン
・ノルアドレナリン
・GABA
・グルタミン酸
○メチレーションの状態の把握
○参加ストレスの状態を把握
○体内の炎症の把握
○腸の状態を把握
・セロトニン産生
・アドレナリン代謝
・腸脳相関
○副腎の状態を把握
・低血糖
・炎症を抑える働き
ただし、セロトニン量がむしろ高いレベルの人もいます。
この場合、薬剤その他でセロトニン量を増やしてしまうと、自殺念慮の出るおそれがあります。
体内のセロトニンの多くは、腸内で作られていますが、血中のセロトニンと脳内のセロトニンとの相関関係については、まだよく分かっていないようです。
実際には、脳内のセロトニン量を決定する因子として、メチレーションの状態をみます。
たとえば、低メチレーションであれば、セロトニンの再取り込み輸送タンパク質が多く作られ、脳内のセロトニンは減ります。
このメチレーションの状態というのは、ある程度までは遺伝子レベルで決まっているようです。
アメリカのウォルシュ博士は、この分野の研究の第一人者で、彼によると
・うつの患者の38%が低メチレーション
・20%が高メチレーション
だということです。
彼によると、血中ヒスタミン濃度とSAMe/SAH比率がその判別の参考になるようです。
低メチル化状態では、SAMe/SAH比率が低くなり、血中ヒスタミンが上昇する。
高メチル化状態では、この逆になる。
○臨床では次のような項目でどちらのタイプかあたりをつけます。
「低メチレーション」
・花粉症
・アルコールや薬物への依存
・何度も確認する。完璧主義タイプ。
・競争心が強い
・性欲が強い
・妄想や強迫的な傾向
「高メチレーション」
・不安やパニックがある
・アレルギーがある
・自分より他人を優先してしまう
・ドライアイや口渇がある
・芸術的なセンスがある
・睡眠障害がある
・体を良く動かす。おしゃべり。
___________________
「ウォルシュ博士の「うつ病の生化学タイプの分類」
メチレーションの低下・・・38%→低セロトニンなので、SSRIが効くタイプ
葉酸の欠乏・・・20%→セロトニンやドーパミンが高く、SSRIが効かない
銅の過剰・・・17%→ドーパミン低下でノルエピネフリンが高い
ピロールの異常・・・15%→高度なセロトニン・GABAの低下がある
毒物による影響・・・5%
その他・・・5%
このような生化学レベルでのタイプ分けによって、それぞれに必要な分子栄養学的アプローチを行うことで、神経伝達物質の合成やシナプスの活動性が正常化し、身体や脳の状態がよくなっていきます。
「このアプローチのポイント」
神経伝達物質の合成に必要な栄養素の量を正常化させること
・セロトニンはトリプトファンから合成されるとき、補酵素としてビタミンB6を必要とするので、不足のある人にはこれを補う。
・ドーパミンは2種類のアミノ酸からの生成過程で鉄や葉酸を必要とするため、不足のケースではこれを補う。
・同じようにノルエピネフリンでは、ドーパミンからの生成の時に銅が必要。
・GABAでは、亜鉛やビタミンB6.
これらの栄養素の量は、個人個人の栄養の代謝量や代謝酵素の遺伝子発現などで大きく異なるため、個別に調べていかなければならない。
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