顎関節症に伴う各種症状)
※参考図書・・・顎関節小事典(日本歯科評論社)
耳閉感や軽度の伝音性難聴
・鼓膜の内陥により起こると考えられている
※鼓膜の内陥⇒耳管の狭窄、鼓膜張筋の収縮
※鼓膜張筋の収縮←顎関節症による三叉神経第3枝(下顎神経)への刺激
・顎関節症患者の半分に出現するという研究もある
・咀嚼障害によって、鼓室粘膜のリンパのうっ滞をつくり、より症状を増悪させるかもしれない。
耳鳴り
顎関節症の3割にみられる。
咀嚼筋の緊張や痛み~顔面筋に刺激~反射的にアブミ骨筋が収縮⇒耳鳴り
※アブミ骨筋~顔面神経で支配されている
耳痛、耳周辺痛
耳前部に相当する下顎頭後方には、血管や神経が豊富に存在している。
円板後方組織で炎症が起こると、開閉口で外耳道軟骨は通常前方に牽引されることもあり、下顎頭外側では外耳道の痛みとして感じる。
関連痛として、耳介、外耳道、耳深部痛もあり、2~4割に出現する。
めまい
・顎関節症患者の3~4割でみられる
・多くは前庭自律神経反射の問題と考えられる
⇒交感神経の興奮で、内耳血管が収縮し、血流が減少することで前庭機能に左右差が生じ、めまいが発生
※交感神経は、顎関節、中耳、内耳にも分布
⇒顎関節症や頭痛などにより、患側の上頸部交感神経節が刺激され、交感神経の活動に左右差が生じ、前庭機能障害がおこるかもしれない
・まれに、アブミ骨筋(顔面神経の運動枝)が急激に収縮し、蝸牛の外リンパ液が強く振動されめまいがおこる
・顎関節の炎症が波及し、内リンパ嚢などが影響を受け、内リンパの産生や圧に変化を来してめまいが起こるという報告もある |