胃薬の副作用・・・プロトンポンプ阻害剤と感染症

ネキシウム、タケキャブなどのPPI(ポロトンポンプ阻害薬)という逆流性食道炎や胃薬を長期使用する副作用について。
結論から言うと、タンパク質やビタミンB12,マグネシウムなどの栄養素の消化吸収不良と病原菌の胃酸による殺菌不良などによって、大きな健康被害がでるということです。
胸焼けや胃痛は薬ではなく、もっと本質的に治さねばなりません。
その方法は以前にも書いていますし、これからもおりにつけ書きます。
簡単にできること)
・よく噛む…一口30回以上
・食事中の水分を最小限にする~胃酸をうすめない
・手技療法で迷走神経、自律神経系にはたらきかける~クラニアル(頭蓋仙骨療法)などでそのような分野の治療方法があります
・消化酵素を取り入れる、またはレモン果汁・梅干など胃酸の助けをする~胃酸過多で胸焼けになっている人はそう多くないと思われます。胃酸低下で胸焼けになることが実は多いのです。試しに、水分減らしてよく噛んで、レモン果汁を食事前におちょこ一杯飲んでという事を3日程してみてください。これでよくなるなら、そういう事です。
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プロトンポンプ阻害薬(PPI; Proton pump inhibitor)とは胃の壁細胞のプロトンポンプに作用し、胃酸の分泌を抑制する薬です。胃酸分泌抑制作用を持つ薬剤には他にヒスタミン H2 受容体拮抗薬(H2 ブロッカー)がありますがプロトンポンプ阻害薬は H2 ブロッカーよりも強力な胃酸分泌抑制作用を持ち、H2 ブロッカーよりも抑制作用が長時間持続します。
このような強い胃酸抑制剤を長期間服用することに対する副作用の危惧は以前よりありましたがここ数年、感染症領域でも PPI の長期服用にともなう副作用報告が散見されるようになってきました。
それは胃酸の主たる役目は消化・吸収であることは異論のないところですが、病原菌を胃で殺してしまい消化管のより奥まで侵入させない役目もあるからです。
最も新しい報告では今年のスコットランドの研究があります。成人約 56 万 5,000 人の医療記録を分析したところ、18 万8,000 人強が PPI または H2 ブロッカーを 1 回以上処方されていました。薬剤を使用していた人は、1999~2013 年にカンピロバクター感染症を発症する確率がコントロール群に比較して約 4 倍多く、院外で C. ディフィシル菌感染症と診断される確率がコントロール群に比較して 70%高く、院内で診断される確率は 42%高かったと報告されています。
年齢や病歴などの因子を考慮しても、胃薬抑制剤と感染症リスクの間には関連が認められたそうです1)。
PPI との関連が強く疑われている colagenouscolitis の原因もなんらかの大腸感染症の関与が疑われており2)、やはり PPI は胃酸を強度に中和し小腸以下への細菌の侵入を容易にする疑いがあります。
肺炎の増加も指摘されています。11 年以上の間に PPI を服用していた 2 万 6,436 例(PPI
群,平均年齢 66.5 歳,男性 39.9%)および同薬を服用していない 2 万 8,054 例(対照群,
同 66.0 歳,44.0%)の比較検討では PPI 服用群は有意に高く院外肺炎を発症していました
3)。これは PPI 服用により胃内の細菌が増加して、それを微小誤嚥することによる肺炎発
症と考えられます。
また、感染症以外にも胃酸不足に伴う栄養吸収障害に起因すると思われる副作用も多く報告されています。
低マグネシウム血症:2011 年に FDA は、長期に PPI を内服している患者の低マグネシウム血症について警告し、PPI を中止しない限りマグネシウムの補充のみでは、血清マグネシウム値は正常化しないと勧告しました。
9 試験、109798 例のメタ解析では、PPI 使用者は非使用者と比較し、低マグネシウム血症のリスクが 40%高かったそうです。
 認知症:JAMA の関連医学誌 JAMA Neurology に掲載された「Association of Proton
Pump Inhibitors With Risk of Dementia」(JAMA Neurol. 2016;73(4):410-416.)によると、ドイツの公的保険制度の記録を調べ前向きの調査によって得られた結果、逆流性食道炎や
胃潰瘍に PPI を使用していると認知症発生リスクは非使用者の 1.44 倍に増加したというこ
とがわかりました。
この原因については Vit B12 の欠乏によって説明がつきます。
Vit B12は胃酸の存在が吸収に必要だからです。
 心血管イベント:心血管イベントが 30%増加することが報告されています。



しん研良院 奈良県香芝市のカイロプラクティック
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