カイロプラクティック/オーソモレキュラー
しん研良院

〇受付時間 9:00〜19:00 
○診察時間 9:00~21:00 
○休み:不定休

心の不調へのアプローチ

 

心の不調について

 

心の不調について

根本となる原因は何か?

○Dr.ジョナサン・ライトのみかた
・人間が病気になるのは、身体の正常な機能に必要な分子が足りないからである
・自然界の一部として生きている人に、不自然な物質を用いれば、有害に働く
・体の調子が悪くなった時は、その原因を探さなければ何も始まらない

 
○誰もがもつ自然治癒力は、様々な要因で働かなくなる
・様々な検査によって働かない理由を究明する必要がある
 

病院で通常行われない検査に、じつは重要な内容がある

・人の心の状態を左右している神経伝達物質は物質から作られます
・その物質とは、口から入って、胃腸で消化吸収されたものです
・具体的にはタンパク質やビタミン・ミネラルから作られています
・つまり栄養と内臓の状態が心の状態を左右しているのです
 
○栄養と消化吸収力、解毒力などを徹底的に調べることが、不調のメカニズムを究明することにつながる
・ビタミン不足
・ミネラルアンバランス
・重金属の蓄積
・遅延型食物アレルギー
・ホルモンアンバランス
・腸内環境悪化
・血糖調節障害

これらの状況を調べるための検査をすることで、ムダな薬や治療を省き、時間や費用を節約することになります
 
もし、問診や身体検査だけでは原因が分からない場合、協力いただいているクリニックに検査依頼しています
 

不調のメカニズム(根本原因)を見つけることの重要性

精神科・心療内科に行かれると、「症状によって診断を下し、対症療法として薬剤を処方」されます
しかし、それでは不調のメカニズムが治るという状態になりません
ずっと、薬を続けることになりやすく、本当にそれがベストなのかと疑問が生じると思い
 
 

 

うつ症状について

 

うつ症状を起こす様々な原因

うつ症状を起こす病態は様々ある

脳は様々な身体状況の影響を受けやすい臓器です
次のようなケースでも、うつ症状を発生させます
・甲状腺機能低下
・腸内環境異常
・副腎疲労
・慢性疲労症候群
 
薬も必要かもしれませんが、根本の異常状態も治す必要があります
本当によい治療とは必要最小限の薬を用いながら、根本的な不調メカニズムの改善を目指すことだと考えます
根本原因を放置しておくと、どんどん悪化していくのがふつうです
 
具体的には次のようなことが長期間おこった結果としての、うつ症状です
・ホルモンの分泌異常
・血糖値の調節障害
これらの背景には食生活の不適切があります
直すには、栄養療法が適しています
 
次に様なことも臨床上よくみられます
・重金属の蓄積によるミネラルの輸送障害
・感染症による代謝メカニズム異常
これらは、重症度によって薬剤とサプリメントを使い分けます
 
このように当院では、体調不良(病気)の根本に対して、生化学的な側面(栄養面)を重視しています

心の不調と栄養療法

 

不調の全体像を明らかにするための考察

・神経伝達物質は、現在100種類以上が存在するといわれ、約60種類が見つかっている
ノルアドレナリン、ドーパミン、セロトニンが心の安定に深く関わっている
 
ノルアドレナリンとドーパミンは興奮作用のある神経伝達物質、セロトニンは抑制型の神経伝達物質~この3つがバランスよく働いて心の健康を保っている
 
神経伝達物質の合成
タンパク質⇒チロシン(アミノ酸の1種)⇒L-DOPA⇒(B6)⇒ドーパミン⇒(ビタミンC、銅)⇒ノルアドレナリン⇒(葉酸、B12、亜鉛、マグネシウム~SAMe)⇒アドレナリン
 
メチレーション図

細胞の中での化学的変化の図


 

 

原因の考察

➀遺伝子領域の問題
・遺伝子変異(出現頻度1%未満)、SNP(一塩基多型~同1%以上)
・エピジェネティクス…遺伝子発現のオンオフに栄養素が関与する
例:日本人の葉酸回路におけるMTHFRの変異
・正常型35%(酵素活性100%)、ヘテロ型54%(同70%)、ホモ型11%(同30%)
・「ホモシステイン⇒メチオニン」の変換が阻害~ホモシステインが蓄積~冠動脈疾患やアルツハイマーのリスク上昇

例:COMT(カテコールーOメチルトランスフェラーゼ)の変異
・機能亢進した場合)ドーパミンやノルエピネフリンの分解↑~集中力低下やADHD(注意欠陥多動性障害)を引きおこす
・機能低下した場合)ノルエピネフリン上昇~不安神経症を引きおこす
 
②化学的ストレス
○栄養の問題~生化学的インバランス(化学的ストレス)
・栄養の過不足…個体差
・代謝異常…遺伝的な問題、食生活の問題、生活習慣の問題
・不耐症、依存症、アレルギーなど
 
○栄養や生活習慣の問題から引き起こされる生理的な問題
・慢性炎症…腸粘膜の炎症、脂肪肝、歯周病、上咽頭の炎症、その他         
・タンパク異化亢進  ・インスリン抵抗性      
・酸化ストレス亢進
 
○体内システムの異常
・脳など神経系の問題  
・内分泌の問題…副腎、甲状腺
・消化吸収障害…消化液の分泌不良、腸管の粘膜の異常
・肝臓機能↓…解毒、三大栄養素の代謝、ホルモン代謝、胆汁生成・排泄
・ミトコンドリア機能↓  ・細胞膜の機能↓ 
・体液循環↓
 
○重金属の蓄積(化学的ストレス)…その毒性による人体への影響
・細胞膜の障害…膜透過性を変化~物質の輸送障害
・酵素活性の低下…酵素の活性中心と置換し、酵素の働きを阻害
・タンパク質と結合…タンパク質の変性(立体構造の変形)
・金属代謝障害…ミネラルの働きを阻害
・活性酸素の発生…カドミウムや鉛は活性酸素を発生させる

例:水銀~魚(石炭と火力発電~大気と海水汚染)、ワクチン、アマルガム(無機水銀~口腔・腸管内→有機水銀)⇒慢性疲労、うつ、集中力低下、筋肉痛、甲状腺機能低下、体各所の不快感、胃腸障害、めまい、日光過敏

例:鉛~水道管⇒骨細胞、脳グリア細胞に蓄積⇒水銀の悪性度を高める、脳機能異常、貧血、高血圧、不妊

例:カドミウム~米、イカ、タコ、二枚貝、海藻、野菜、タバコ⇒腎機能障害~カルシウム代謝異常(骨や関節の問題)、貧血
※鉄欠乏状態ではカドミウムの吸収増加
 
 
③感染症
・ウィルス、細菌、真菌などの病原体が体に侵入または増殖し症状を出す
例:ヘリコバクター・ピロリ(細菌)⇒胃の炎症、消化不良、食欲不振
例:カンジダ・アルビカンス(真菌)
・アセトアルデヒド産生~肝臓↓~うつや倦怠感などの全身症状、免疫過剰(自己免疫性疾患、アレルギー)
・アンモニア産生~腸PH上昇
・アラビノース、酒石酸、3-オキソグルタル酸産生~TCA回路↓~疲労↑
例:マイコプラズマ(細菌)⇒呼吸器、神経系、皮膚、心血管系、腎臓などに感染を引き起こす。関節に入り込みリウマチ。慢性疲労症候群の原因
 
 
④生活習慣の問題
・食生活の問題
・運動不足、過剰な運動
・睡眠の問題
・排泄の問題
・精神的な領域における問題
 

 

うつについて

うつのサイン

【本人が気づくサイン】

・気分が沈む、憂うつになる
・何をするのにも元気が出ない
・イライラする、怒りっぽい
・理由もないのに不安な気持ちになる
・気持ちが落ち着かない
・動悸や息苦しさ
・何度も確かめないと気がすまない
・食欲が出ない/食事がおいしくない
・なかなか寝つけない/熟睡できない
・夜中に何度も目が覚める
・死にたいと感じる

【周りの人が気づきやすいサイン】

・希死念慮がみられる
・口数が少なくなる
・いらいらしている
・朝や休日明けに調子がよくない
・遅刻、欠勤が増える
・だるさを訴える
・身辺整理をしはじめる
・急に痩せた
・気分の波が激しくなった
・表情が暗くなった
・一人になりたがる
・不満やトラブルが増える
・遅刻や休みが増える
・ぼんやりしている
・ミスや物忘れが多い
 

うつのメカニズム

 
・心理学の領域からのアプローチは病院などで精神科の医師や心理カウンセラーの先生が行われていますが、当院では生化学の領域から検査・アプローチを行っています
 
・たとえば、セロトニンなどの神経伝達物質の過不足が精神状況に影響を与えるという考え方です
 
・セロトニンの不足が原因である場合、セロトニンの材料と補因子を分子栄養学の観点から補います
・神経細胞間の情報を伝える脳の神経伝達物質のひとつセロトニンは、ナイアシン(ビタミンB3)や鉄、葉酸、ビタミンB6などの栄養素が必要です
・セロトニン不足の疑いがあれば、主原料のタンパク質はもちろん、そのようなビタミン・ミネラルを食事やサプリメントから十分摂ることが、改善への一歩となります
・一方、体質的にセロトニン量の多い方もおられます
⇒ここの見極めのための各種検査がとても重要となります
⇒病院からセロトニン再取り込み阻害薬(セロトニンを増やす薬)を処方されることがあるかと思いますが、この場合もともとセロトニン量の多い方には、さらなるセロトニン量増加が起こるため、症状の悪化を招くことがあります
 
 

それぞれの神経伝達物質の量の把握

  • セロトニン
  • アドレナリン
  • ノルアドレナリン
  • GABA
  • グルタミン酸

メチレーションの状態の把握
参加ストレスの状態を把握
体内の炎症の把握
腸の状態を把握

  • セロトニン産生
  • アドレナリン代謝
  • 腸脳相関

副腎の状態を把握

  • 低血糖
  • 炎症を抑える働き

 
ただし、セロトニン量がむしろ高いレベルの人もいます。
この場合、薬剤その他でセロトニン量を増やしてしまうと、自殺念慮の出るおそれがあります。
体内のセロトニンの多くは、腸内で作られていますが、血中のセロトニンと脳内のセロトニンとの相関関係については、まだよく分かっていないようです。
実際には、脳内のセロトニン量を決定する因子として、メチレーションの状態をみます。
たとえば、低メチレーションであれば、セロトニンの再取り込み輸送タンパク質が多く作られ、脳内のセロトニンは減ります。
このメチレーションの状態というのは、ある程度までは遺伝子レベルで決まっているようです。
アメリカのウォルシュ博士は、この分野の研究の第一人者で、彼によると

  • うつの患者の38%が低メチレーション
  • 20%が高メチレーション

だということです。
彼によると、血中ヒスタミン濃度とSAMe/SAH比率がその判別の参考になるようです。
低メチル化状態では、SAMe/SAH比率が低くなり、血中ヒスタミンが上昇する。
高メチル化状態では、この逆になる。
 

臨床では次のような項目でどちらのタイプかあたりをつけます。

低メチレーション

  • 花粉症
  • アルコールや薬物への依存
  • 何度も確認する。完璧主義タイプ。
  • 競争心が強い
  • 性欲が強い
  • 妄想や強迫的な傾向

高メチレーション

  • 不安やパニックがある
  • アレルギーがある
  • 自分より他人を優先してしまう
  • ドライアイや口渇がある
  • 芸術的なセンスがある
  • 睡眠障害がある
  • 体を良く動かす。おしゃべり。

 
 

ウォルシュ博士による「うつ病の生化学タイプの分類」

  • メチレーションの低下…38%→低セロトニンなので、SSRIが効くタイプ
  • 葉酸の欠乏…20%→セロトニンやドーパミンが高く、SSRIが効かない
  • 銅の過剰…17%→ドーパミン低下でノルエピネフリンが高い
  • ピロールの異常…15%→高度なセロトニン・GABAの低下がある
  • 毒物による影響…5%
  • その他…5%

 
このような生化学レベルでのタイプ分けによって、それぞれに必要な分子栄養学的アプローチを行うことで、神経伝達物質の合成やシナプスの活動性が正常化し、身体や脳の状態がよくなっていきます。
 

このアプローチのポイント

  • 神経伝達物質の合成に必要な栄養素の量を正常化させること
  • セロトニンはトリプトファンから合成されるとき、補酵素としてビタミンB6を必要とするので、不足のある人にはこれを補う。
  • ドーパミンは2種類のアミノ酸からの生成過程で鉄や葉酸を必要とするため、不足のケースではこれを補う。
  • 同じようにノルエピネフリンでは、ドーパミンからの生成の時に銅が必要。
  • GABAでは、亜鉛やビタミンB6.

 
これらの栄養素の量は、個人個人の栄養の代謝量や代謝酵素の遺伝子発現などで大きく異なるため、個別に調べていかなければならない
 
 

うつと副腎機能

 
○うつの人は、CRHもACTHも放出されて、その結果コルチゾールも沢山分泌されている
・コルチゾールが大量に出たら、ネガティブフィードバックがかかって、視床下部と下垂体にこれ以上刺激ホルモンを出さないように抑制するが、うつではそこがうまく機能していない~ACTHとコルチゾールが出続けてしまう
・うつ病患者の50%は、血中グルココルチコイド濃度上昇によるHPA軸の負のフィードバック機能障害が認めらる
 
 

その他

・ノルアドレナリンは思考力や集中力、意欲や積極性のはたらきを担っていて、不足すると無気力状態や意欲低下につながる。
・鉄や亜鉛などの微量栄養素の不足⇒セロトニン、ドーパミンの不足⇒うつ病のリスク↑
・オメガ6系の脂肪が過剰/オメガ3系脂肪酸不足の状態では、アラキドン酸由来の物資が増え、炎症体質になりやすい。そうすると、炎症を引き起こすサイトカインという物質が脳に運ばれ、脳が炎症状態になる。これがうつの原因の一つとなる。
・腸内環境が悪化し、腸の粘膜などに炎症が起きていると、やはりサイトカインが発生し、脳に炎症を引き起こす。
・メタボリック症候群はうつ病のリスクを1.5倍高め、うつ病はメタボリック症候群のリスクを1.5倍高めるという双方向性の関係がある。

 

不安・パニックについて

・不安やパニックを起こす方の多くは女性ですが、生化学的にみた場合特徴的なことが起こっています
・体内のミネラルバランスに片寄りが出ていて、神経伝達物質の異常が起こっています⇒その結果、精神状況として、不安感増大やパニック発作などが生じています
 
・血液検査などの生化学データとして、銅過剰/亜鉛低値が起こっています
 
・銅過剰と亜鉛不足があれば、ノルアドレナリン(米:ノルエピネフリン)の分泌が増える
・とくに女性の場合は、エストロゲンによって銅と結合しているセルロプラスミンが増え、銅過剰が起きやすい
・遺伝的にセルロプラスミン過剰になりやすい人もいる
 
・PMSのある女性の場合には、銅過剰(亜鉛不足)がみられる
 
・不安やパニックの訴えは、このような理由から女性に多い
 
・ノルアドレナリン過剰分泌・・・不安感や焦燥感、攻撃性などが強まる~パニック発作~呼吸困難、動悸、めまい、動悸、恐怖、不眠など
 
 

改善方法

・銅を下げて、亜鉛を上昇させ、銅と亜鉛のバランスを正常な1:1に近づけます
・個別にそうなった原因を見つけて、その人に適した方法で、ミネラルバランスの異常からの神経伝達物質異常を改善していきます
・遺伝的に銅過剰体質の方は、食事療法ではなかなか効果がでませんので、より効果的・安全な方法を用います
 
 
 


 

アプローチ例

 
改善された方のご厚意により、写真撮影などの許可をいただきました。
同じような症状でお困りの方にとって、ひとつの目安や判断材料になればと思います。

30代女性の産後うつ改善例

30代女性:産後うつ


産後うつ、不安感
30代女性(大和郡山市)
2020年7月
 

これまでの経過

出産後、体調が悪化し、うつ傾向になった
現在は不安感、イライラなど強く、日常生活に支障をきたしている

カウンセリングに基づいた考察

・銅過剰、亜鉛低値によるノルアドレナリン活性上昇、ドーパミン活性低下の状況

アプローチ

  • 食の最適化とサプリメント摂取

 

結果

・4週後から改善傾向になり、2か月後には改善
・その後、メンテナンスで来られているが、良い体調で楽しく子育てをされている

40代女性の不安感・うつ改善例

40代女性:不安感・うつ


 
不安感、うつ、不眠症
40代女性(橿原市)
2021年8月
 

これまでの経過

10年以上前から睡眠障害があり、うつ傾向も出てきた
数年前から不安感が出てきた
最近は電車に乗るのも大変になってきた
心療内科で薬を処方されたことがあるが、症状が悪化したことがある
睡眠薬は効くが、早くやめたいと思っている

カウンセリングと分析

・高メチレーションタイプのうつで、SSRIに抵抗性を示すタイプ
~血液データでは、好塩基球が低値
・セロトニンやドーパミン受容体が活性亢進しているので、これを適正にする方針

アプローチ

  • 神経伝達物質の適正化をはかるために数種類のサプリメントを組み合わせる

 

結果

  • 2か月後からかなり改善傾向になった
  • 1年後、不調らしい不調が消失

 

 
うつ・不眠・動悸改善例

50代女性:うつ、不眠、動悸


うつ、不眠、動悸
50代女性(葛城市)
2019年3月
 

これまでの経過

以前より花粉症やドライアイがあった
40代後半から、ホットフラッシュや動悸が出るようになった
最近は気分が落ち込み、不眠も続いている
病院にも行ったが、あまり薬が効かない

カウンセリングと分析

・ホルモンバランスの問題とメチレーションの問題があるようでした

アプローチ

  • 食事の最適化…三大栄養素のバランスを見直しました
  • エストロゲンの適正化をはかるためのアプローチ
  • 腸内環境と肝臓機能アップのための手技療法や除去食
  • サプリメント摂取…ビタミン・ミネラル・プロバイオティクスの中で、必要な種類と量を選定し摂取してもらいました

 

結果

  • 3か月たって、良い感じになってきたとのことでした
  • 半年後、かなりの症状が改善されていました
  • 1年後、花粉症などもなくなっていました

 

強迫性障害改善例

30代女性:うつ・強迫性障害


 
うつ・強迫性障害
30代女性 会社員(奈良市)
2018年5月
 

これまでの経過

10年前より職場でのストレスがあり、心身の不調が出てきた
2年前、心療内科で強迫性障害の診断~薬剤摂取し、一度はよくなった
最近、また不調が強く出るようになり薬があまり効かず休職中
 

カウンセリングと分析

・低メチレーションタイプで、神経伝達物質(セロトニン、ドーパミン)の不足をうかがわせた
・胃腸の調子がよくないため、栄養の消化吸収に難があった
・ほとんど外に出ず、運動不足
・お菓子やパンが大好きで、コーヒーもよく飲む

アプローチ

  • 食の最適化と日常生活の改善
  • サプリメント摂取

 

結果

  • 4か月後、体の調子がよくなっているのを実感した
  • 7か月後、かなり改善されて職場復帰
  • 1年後、ほとんど気にならないぐらい元気になられた

 

子どもの精神的不調

小学生:強迫性障害


 
強迫性障害
小学6年生(大阪府)
2022年3月
 

これまでの経過

小学2年生…心療内科で強迫性障害の診断~薬剤摂取し、数か月後によくなってきた
小学5年生…学校を休みがちになる~心療内科受診し薬剤が処方されるが飲むのを嫌がる
 

カウンセリングと分析

・花粉症がある~ヒスタミンレベル上昇
→低メチレーションの可能性
→神経伝達物質(セロトニン、ドーパミン)の不足
・性格が真面目過ぎて、融通が利かない
・学校の成績は良い
・勉強は人並み以上にする、完璧主義のところがある

アプローチ

  • 食の最適化とサプリメント摂取

 

結果

  • タンパク質の摂取不足に気をつけ、微量栄養素の中から数種類サプリメントで摂ってもらったところ、数か月して不調が減少
  • 2023年現在…とても調子よく、学校にも行けている

 

高校生の体調不良

高校1年生体調不良

不登校、起立性低血圧、頭痛、光過敏

高校1年生(三重県)
2021年4月
 

病院の検査

  • 起立性低血圧の診断~メトリジン処方
  • 斜位などの目の異常を指摘されている
  • 血液検査…総ビリルビン1.5(直接ビリルビン0.5)、LD(乳酸脱水素酵素)109、ALP510、AST16、ALT8、TSH(甲状腺刺激ホルモン)0.8、FT3:3.69、フェリチン19

 

カウンセリングとアプローチ

  • 母親が極度の貧血だった~子供にもその傾向が出てくるため、食生活の改善を指導
  • タンパク質と亜鉛に関しては、サプリメント摂取を勧める
  • その後、ビタミンBに関してもサプリメントから補助的に摂取

 

結果

  • 2か月後から、朝起きられるようになり、休まず学校に行けるようになった。
  • 光過敏がなくなってきた
  • 4か月後、頻繁におこっていた頭痛がでなくなってきた
双極性障害の改善例

高校生の精神疾患

双極性障害、肩こり・頭痛

17歳 男性(大阪府)
2019年3月
 

・医療機関で双極性障害の診断~薬剤の処方
・薬剤があまり効かないので、いろいろネットで調べているうちに分子栄養学の領域から改善できることもあると知り、しん研良院に来院

アプローチ

  • 浅い呼吸に対して: 胸郭の可動域
  • 頭蓋骨縫合の調整
  • 食事の最適化…三大栄養素のバランスと微量栄養素の十分な摂取
  • サプリメントのアドバイス…ビタミンとミネラルのなかで3種類

 

結果

  • 1年後、かなり元気になることが出来た
  • 2年後、特に問題なく生活を送れている

 

ノートと考察

 

  • このコーナーは、考察や各種情報をノートとして不定期に書き加えているものです。
  • 私自身の記憶の整理用のノートですので、考えるヒント程度にお読みください。
  • 「~だ」のような断定的な表現もありますが、あくまでもここに書いているのは考え方の一例に過ぎません。
  • より良い情報が見つかるたびに、訂正や追加を加えます。
  • 疑問点などのご指摘をくださる方があれば幸いです。

精神疾患系のみかた

 

うつ、統合失調症など

考え方)

脳内の化学物質のアンバランスによって機能低下が起こっていることが、精神的な不調の原因になっていると考えられています。
たとえば、セロトニンという神経伝達物質が低活性だと「うつ」が引き起こされることになります。
ノルエピネフリンの量が増えすぎると、「不安症」。
ドーパミンの上昇があれば、「統合失調症」。
この神経伝達物質は、モノアミン類を呼ばれるのですが、このような考え方を「モノアミン仮説」といいます。
 

例:うつ

セロトニンの不足が原因である場合、セロトニンの材料と補因子を分子栄養学の観点から補います。
神経細胞間の情報を伝える脳の神経伝達物質のひとつセロトニンは、ナイアシン(ビタミンB3)や鉄、葉酸、ビタミンB6などの栄養素が必要です。
セロトニン不足の疑いがあれば、主原料のタンパク質はもちろんそのようなビタミン・ミネラルを食事やサプリメントから十分摂ることが、改善への一歩となります。
ちなみに、病院の薬はセロトニン再取り込み阻害薬などが出されるようです。
このように、分子栄養学的な観点からのアプローチのひとつは、神経伝達物質の正常化です。
そのために次のようなことを行います。
 

それぞれの神経伝達物質の量の把握

  • セロトニン
  • アドレナリン
  • ノルアドレナリン
  • GABA
  • グルタミン酸

メチレーションの状態の把握
酸化ストレスの状態を把握
体内の炎症の把握
腸の状態を把握

  • セロトニン産生
  • アドレナリン代謝
  • 腸脳相関

副腎の状態を把握

  • 低血糖
  • 炎症を抑える働き

 
ただし、セロトニン量がむしろ高いレベルの人もいます。
この場合、薬剤その他でセロトニン量を増やしてしまうと、自殺念慮の出るおそれがあります。
体内のセロトニンの多くは、腸内で作られていますが、血中のセロトニンと脳内のセロトニンとの相関関係については、まだよく分かっていないようです。
実際には、脳内のセロトニン量を決定する因子として、メチレーションの状態をみます。
たとえば、低メチレーションであれば、セロトニンの再取り込み輸送タンパク質が多く作られ、脳内のセロトニンは減ります。
このメチレーションの状態というのは、ある程度までは遺伝子レベルで決まっているようです。
アメリカのウォルシュ博士は、この分野の研究の第一人者で、彼によると

  • うつの患者の38%が低メチレーション
  • 20%が高メチレーション

だということです。
彼によると、血中ヒスタミン濃度とSAMe/SAH比率がその判別の参考になるようです。
低メチル化状態では、SAMe/SAH比率が低くなり、血中ヒスタミンが上昇する。
高メチル化状態では、この逆になる。
 

臨床では次のような項目でどちらのタイプかあたりをつけます。

低メチレーション

  • 花粉症
  • アルコールや薬物への依存
  • 何度も確認する。完璧主義タイプ。
  • 競争心が強い
  • 性欲が強い
  • 妄想や強迫的な傾向

高メチレーション

  • 不安やパニックがある
  • アレルギーがある
  • 自分より他人を優先してしまう
  • ドライアイや口渇がある
  • 芸術的なセンスがある
  • 睡眠障害がある
  • 体を良く動かす。おしゃべり。

 
 

ウォルシュ博士の「うつ病の生化学タイプの分類

  • メチレーションの低下…38%→低セロトニンなので、SSRIが効くタイプ
  • 葉酸の欠乏…20%→セロトニンやドーパミンが高く、SSRIが効かない
  • 銅の過剰…17%→ドーパミン低下でノルエピネフリンが高い
  • ピロールの異常…15%→高度なセロトニン・GABAの低下がある
  • 毒物による影響…5%
  • その他…5%

 
このような生化学レベルでのタイプ分けによって、それぞれに必要な分子栄養学的アプローチを行うことで、神経伝達物質の合成やシナプスの活動性が正常化し、身体や脳の状態がよくなっていきます。
 

このアプローチのポイント

  • 神経伝達物質の合成に必要な栄養素の量を正常化させること
  • セロトニンはトリプトファンから合成されるとき、補酵素としてビタミンB6を必要とするので、不足のある人にはこれを補う。
  • ドーパミンは2種類のアミノ酸からの生成過程で鉄や葉酸を必要とするため、不足のケースではこれを補う。
  • 同じようにノルエピネフリンでは、ドーパミンからの生成の時に銅が必要。
  • GABAでは、亜鉛やビタミンB6.

 
これらの栄養素の量は、個人個人の栄養の代謝量や代謝酵素の遺伝子発現などで大きく異なるため、個別に調べていかなければならない。