手術・ケガ・事故の後のケアの重要性
手術・ケガ・交通事故による体への影響と回復方法
- 手術後は、ファッシア(膜組織)の柔軟性が低下します。これは、皮膚レベルでも腹膜・骨膜レベルでも起こります。
すると、関節や内臓の動きに制限がかかります。
しばらくは問題なく過ごせたとしても、数年、十数年してから腰痛や首の痛み、内臓機能の低下などの遠因となり、困るケースがでてきます。 - ケガや交通事故などで、骨折や捻挫をしても、痛みは数週間でなくなります。
病院でも、本人の感覚としても、「もう治った」という事になります。
しかし、私たち手技療法家としては、「折れた骨がくっついた/腫れが引いた/痛みがなくなった・・・というだけで、自覚しない機能低下が残り続けている」という本人では自覚できない部分に注目します。これは触診しないと分からない部分です。
手技療法による診方
- ファッシア(膜組織)や筋肉、関節などが物理的ストレス(手術やケガなどの外傷)によって、どの程度影響されているか触診で確かめます。
- 交通事故では、シートベルトの影響で首以外に胸郭部分(横隔膜や肋骨など)に機能低下の生じていることが多いです。
この場合、呼吸器の働きが落ちて、様々な体調不調や精神的な不調が引き起こされる可能性が出てきます。
手技的アプローチ
- ファッシア(膜組織)の柔軟性低下を手技で、回復させます。
ファッシア(膜組織)は手技療法にとてもよく反応する組織です。
多くの場合、瘢痕(傷あと)状になっていますので、ストレッチなどでは回復に至りません。ピンポイントで適切な徒手による施術を必要とします。 - 影響を受けている脊柱や肋骨、手足などの骨格系の動きやズレを徒手矯正します。
これによって、筋肉や腱の動き方が本来の動きになります。結果として、張りや痛み、こりなどが消失します。
手術・ケガ・交通事故の後に起こりえる痛みや不調
具体例
- 盲腸(虫垂炎)の手術後、8年以上たって起こる右腰の痛み
- 帝王切開後の腹膜の癒着。それによる腰痛や腸の蠕動運動の低下、むくみ。めまいや動悸、肩こり、膨満感など様々な不定愁訴の遠因になっていることもあります。
- 子宮筋腫や子宮内膜症に伴う腰痛~手術後におこるさらなる腰痛や様々な不調。
- 足首のねんざ後の新たな痛みや足首の違和感。その後何年もたってからのヒザや股関節、腰などの慢性痛。
- 交通事故によるムチウチによる影響・・・各種不定愁訴、首や肩腕の痛みやしびれ
- 鎖骨や肋骨の骨折後の肩や首、腰の慢性痛。
- 手足のゆびの骨折による肩や腰への影響
施術例
改善された方のご厚意により、写真撮影などの許可をいただきました。
同じような症状でお困りの方にとって、ひとつの目安や判断材料になればと思います。

顎関節症~左あごの強い痛み
50歳主婦(上牧町)
2015年3月3日
- 数十年前に親知らずの抜歯
- 20年以上前から開口制限(ぎりぎり指2本)あり
- 8年前に右あごに強い痛み→歯科でマウスピースを作る
- 数日前にフランスパンを連続して食べてから、強い痛み発生
施術
- 頭蓋骨~側頭骨、口蓋骨、上顎骨その他
- 関連筋~内・外側翼突筋、顎二腹筋、舌骨筋、咬筋など
結果
- 施術1回目: 痛み減少だが、開口は指2本分やっとできる程度
- 施術2回目: 痛み消失。クリック音減少。
- 施術3回目: 痛みなし。開口が指2本今日に改善→プチトマト・棒アイスが食べれるようになった。

腰痛
30代女性(奈良県)
2017年
病院の検査
- 検査では異常なし
現病歴
- 1週間前から痛みが強くなった。
初回
- 腹部の膜を柔軟にするためのリリース
- 胸郭の動きを改善する施術
結果
- 痛みが3~4割軽減
2回目
- 骨盤や脊柱の矯正
結果
- 痛みが8割減
3回目
- 各種施療
結果
- 痛みが消失
4回目
- 再発しないように腹膜などよりベストに近づけるよう施術
結果
- とても体が楽になっている。痛みがない。
ノートと考察
- このコーナーは、考察や各種情報をノートとして不定期に書き加えているものです。
- 私自身の記憶の整理用のノートですので、考えるヒント程度にお読みください。
- 「~だ」のような断定的な表現もありますが、あくまでもここに書いているのは考え方の一例に過ぎません。
- より良い情報が見つかるたびに、訂正や追加を加えます。
- 疑問点などのご指摘をくださる方があれば幸いです。
虫垂炎(盲腸)や婦人科系疾患、腫瘍の除去などの手術によって、術後腹膜系が癒着することがあります。完全な癒着は手技で回復させられないのですが、その手前の組織の高密度化の状態であれば、手技療法によく反応してくれます。
結果的に、腹膜の柔軟性の低下が回復し、リンパや血液などの循環が改善します。それにともなって、筋肉や関節の機能も回復し、腰痛や股関節、ひざ痛、肩こりなどが消失していきます。
筋肉の拘縮(トリガーポイント)によって、痛みが引き起こされる。
斜角筋
症 状 | 腕や親指、人差し指などの領域に痛みやしびれ 肩甲骨の内縁や肩甲骨と背骨の間に痛み 肩こり 胸の前側に二本指をあてたような形状で痛み |
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原因例 | ムチウチなど事故による外傷、バイオリンなどの楽器の演奏、胸の上部で行う悪い呼吸、ぜんそく、胸の外科手術、側弯症 |
横隔膜
メカニズムや原因 | 横隔膜は姿勢の維持,脊柱の減圧,体液の流動性,内臓機能の安定などの働きも担っており、その影響は全身に及ぶ。そのため、横隔膜の働きが悪くなると、その影響で首や肩、背中などが緊張する。 心理的トラウマや外傷などの物理的トラウマでよって、横隔膜の働きが阻害されることがあります。 |
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アプローチなど | 横隔膜の付着部をみていき、必要であればリリース。 横隔膜の神経は頸椎3,4番あたりから出ているので、この部分の検査・施術を行います トラウマの除去などの心理的セラピーを行うこともあります。 |
頭長筋、頚長筋
症 状 | これらの筋の慢性的な収縮でストレートネックを引き起こす。 のどや頚部、口などに関連症状が出る・・・飲み込みにくい、のどの痛み |
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原因 | 交通事故やスポーツによる外傷 前方頭位姿勢 |
胸鎖乳突筋
症状 | 頭痛、咽頭痛、目の障害、立ちくらみ |
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原因例 | 上を向きながら行う仕事、ムチウチ、高すぎる枕で寝る |
アプローチ方法 | ピンサーパルペーションでトリガーポイントを検査、施療 |
顎から喉周辺の筋肉(顎二腹筋などの舌骨筋群)
症状 | 嚥下(飲み込み)障害、咽頭痛、のどの不快感、歯痛 |
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原因 | 前方頭位の姿勢、ムチウチ |
しん研良院
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